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WMS導入、どこから始める?未経験でも迷わない進め方5STEPガイド

「WMS(※)を導入したいけれど、何から始めればいいのかわからない」
「社内に経験者がいないので不安」

※WMS:Warehouse Management System(倉庫管理システム)

同じような課題を感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

現場改善と並行してWMS導入を進めるのは大きな負担です。
選定ミスや導入の遅れが、コスト増加やサービス品質低下を招くことも珍しくありません。

この記事では、社内リソースが限られていても失敗しないWMS導入の進め方を、5つのステップで解説します。

実際の調査結果も交えて、導入の不安を解消するヒントをお伝えします。

目次[非表示]

  1. 1.WMS導入でつまずく典型的な原因
  2. 2.WMS導入で失敗しないための5つのステップ
    1. 実際によくある“WMS導入失敗”の現場
    2. 1)現状分析と業務フローの棚卸し
    3. 2)導入目的とKPIの明確化
    4. 3)WMS選定の比較ポイント
    5. 4)導入計画と現場教育
    6. 5)導入後の検証と改善サイクル
  3. 3.数字で見るWMS導入の効果
  4. 4.まとめ:WMSの導入を成功させるために

1.WMS導入でつまずく典型的な原因

悩む女性

多くの企業が導入前に抱える課題は共通しています。

  • 要件定義が曖昧で、ベンダーに丸投げしてしまう
  • 費用対効果(ROI)の予測ができない
  • 現場の抵抗や教育コストを見落としてしまう

特に新規センターの立ち上げや拠点移転と並行する場合、プロジェクトの負荷は倍増します。
準備不足で導入を急ぐと、システムが現場に合わず、再構築が必要となってしまうリスクもあります。

2.WMS導入で失敗しないための5つのステップ

実際によくある“WMS導入失敗”の現場

WMSの導入においては、システムの仕様に業務を無理に合わせようとした場合
現場で混乱が生じるリスクがあります。

たとえば、導入を主導する部門が現場の業務に精通していない場合
「システムに業務を合わせる」方針が優先され、現場の実情や課題が十分に反映されないまま
導入が進んでしまうことも考えられます。

本来であれば、現場の業務に合わせてシステムを柔軟に調整するのが理想的ですが
現場とのすり合わせが不足したまま進めてしまうと、結果としてシステムと運用の間にギャップが生じるおそれがあります。

そのような場合、作業効率の低下や業務遅延といった問題が発生し
対応のために追加の人員やコストが必要になることもあります。  

 
 
 
こうしたトラブルを回避するためには、導入初期の段階で現場の声をしっかりと反映
実運用を見据えたすり合わせを行うことが重要です。

 

私たちの経験からも、「現状把握」「目的の明確化」「システム検討」「教育計画」「導入後の検証」
という5つのステップを確実に踏むことで、WMS導入は大きな成果につながると実感しています。

以下では、未経験の方でも迷わず進められるよう
WMS導入を成功させるための具体的な5ステップをご紹介します。

1)現状分析と業務フローの棚卸し

まず最初に着手すべきは、現場の業務プロセスの「見える化」です。

受入から出荷までの一連の作業をフローとして書き出し
どこにムダや属人化があるか、手作業が多い工程はどこかを洗い出します。

この棚卸しが不十分なままWMSを導入すると
「現場の運用に合わない」「システムが使いづらい」といったトラブルが発生し定着せずに終わるリスクがあります。

 

2)導入目的とKPIの明確化

WMSを導入する本当の目的を言語化しましょう。
「業務の見える化」「在庫精度の向上」「作業効率の改善」「ヒューマンエラーの削減」など
導入の狙いを明確にし、その成果を測るためのKPI(定量指標)を設定します。

例)在庫差異率〇%以下、出荷ミス〇件以内、作業生産性〇行/MHなど

ここが曖昧なままだと、要件定義の方向性がブレたり
導入後に「成功だったかどうか」が判断できず、プロジェクトが迷走してしまいます。

3)WMS選定の比較ポイント

WMSの選定では「今できる機能」だけでなく、「使いこなせる機能」「将来を見据えた柔軟性」
あるかどうかも見極めが必要です。

 

また、以下のポイントも検討材料に加えましょう。

  • 拡張性(SKUの増加や自動化設備との連携など)
  • コスト構造(初期費用・運用費・保守費のバランス)
  • ベンダーのサポート体制・障害対応スピード
     

短期的な価格だけで判断せず、5年後・10年後の物流体制を見据えた選定が大切です。

4)導入計画と現場教育

WMSの導入は「システムを入れること」だけでなく、「人と業務を変えること」でもあります。
現場スタッフがスムーズに運用できるように、教育と巻き込みを並行して進めましょう。

  • 現場で使うツールの視認性や操作性の検証を事前に行う
  • 操作マニュアル・動画など教育コンテンツを用意
  • 現場の声を反映しながら導入スケジュールを調整
  • 試験運用・段階導入などでリスクを最小化

繁忙期を避けた導入スケジュールの設定や、段階的な切り替え(リハーサル運用など)も効果的です。

また、教育や現場の巻き込みが不十分なまま導入を進めてしまうと
「現場に合わない」「元のやり方の方がよかった」といった声が上がり
結果的にWMSが十分に活用されず形だけの運用に陥るリスクがあります。

 

5)導入後の検証と改善サイクル

WMS導入は“ゴール”ではなく“スタート”です。

導入後も定期的にKPIをチェックし、業務フローやシステム設定が現場にマッチしているかを検証し続けることが
効果を最大化するカギとなります。

トラブルや課題が出たときに、単なる応急処置で終わらせず、なぜそれが起きたのかを分析し
再発防止の施策につなげることが重要です。

このような改善や微調整は、想定よりも頻度や規模が大きくなることもあるため
導入フェーズから「修正・追加対応用の予算」をあらかじめ確保しておくこともポイントです。

また、WMSに蓄積されたデータを活用し、業務改善のPDCAサイクルを回していくことで
全社的な物流品質向上にもつながります。

3.数字で見るWMS導入の効果

グラフ

業界データでは、WMS導入後に以下の改善が報告されています。

WMSを導入した企業の約半数が倉庫管理コストの削減を実感しています。
具体的には「~9%減少」が16.5%、「10~19%減少」が21.4%という結果で、10〜19%のコスト削減は経営改善のインパクトとして十分大きいと言えます。

出典:倉庫・物流業の7割以上が、「WMS」導入で経営上でのメリットを実感64.4%から「在庫管理の最適化とコスト削減」の声 | 株式会社ダイアログのプレスリリース

一方で、導入に失敗すると再構築コストが初期導入費を大幅に超えることもあります。
正しい進め方が、コストと品質を両立する鍵となります。

4.まとめ:WMSの導入を成功させるために

WMSの導入は、単なるシステム導入にとどまらず
物流現場の課題解決や全体最適化につながる大きなチャンスです。

当社は食品、アパレル、EC、医薬品、電子機器など、多様な業界での豊富な
導入実績を持つ3PLとして、WMS導入をトータルでサポートしてきました。

単なる導入支援にとどまらず、最適な運用設計や現場改善まで含めた
「WMS+α」の包括的な支援を提供
しています。

物流戦略の強化をお考えの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
貴社の課題や体制に合わせた、最適な進め方をご提案いたします。

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