
物流品質向上の5つの改善ポイント|現場で成果を出す具体的ステップ
「改善したい。でも何から始めれば…」と悩んでいませんか?
物流センターで発生するヒューマンエラーやクレームについて、
「現場に任せているけど、何が起きているのか把握できない」
「改善したい気持ちはあるのに、動けない…」
そんな悩みに有効なのが、「QCストーリー」という考え方です。
※QC・・Quality Control(品質管理)の略称
今回は物流の品質向上に向けて必要な5つのポイントと
現場改善を成功に導く型(QCストーリー)をご紹介します。
目次[非表示]
1. なぜ「物流品質の向上」が重要なのか?
物流品質の低下は、単なる現場の問題にとどまらず
ミスや遅延が続けば、顧客満足の低下や取引停止といった経営リスクに直結します。
実際、ある調査では下記のデータが明らかになりました。
物流現場のミスの63.4%が「手作業による業務」が原因
※出典:i-Reporter「業務ミスに関する課題調査(2023年)」
人の手が関わるからこそ、経験や勘に頼ったり
ルールが曖昧になったりしやすいのが現場の実情です。
だからこそ、どこを見直せばミスが防げるかに目を向けることが重要です。
単に「自動化すればいい」という話ではなく
今ある業務をどう整えるかが品質向上の第一歩になります。
2. よくある「やってるつもり」物流品質向上の落とし穴
現場では、改善活動が行われているように見えることもあります。
しかし実際には、属人的(個人に依存した)な運用や
曖昧なルールに依存していることも多いのが実情です。
マニュアルもあり、教育もしている。
でも、KPI(重要業績評価指標)が見えていないままでは、「成果が出ているのか」が判断できません。
「やってるつもり」から抜け出すには、仕組み化された改善手法が必要です。
3. 物流品質を向上させる5つのポイント
物流現場の品質向上には、次の5つの視点が参考になります。
1)現地現物で現状把握をする
物流品質向上の第一歩は、まず現地現物の視点で現場の実態を正確に把握することです。
書類や報告書の数字だけを見て判断するのではなく
実際に現場に足を運び、作業の流れや人の動き、現物、設備の状況まで自分の目で確認しましょう。
現場で直接観察することで、作業中に起きている現実や
スタッフの困りごとなど、数字では見えにくい課題を発見できます。
2)出荷ミス・誤配送の要因を分析する
発生したミスを「なぜ?」と深掘りし、真因を特定しましょう。
「5Why」や「特性要因図」などが効果的です。
原因を明確にすることで、再発防止策が具体的になります。
3)作業手順書・教育の見直し
現場に適応した手順書であるかを再確認しましょう。
作業に関わる全スタッフへの共有も必須です。
状況に応じて掲示するのも一つの手段です。
誰が作業をしても同じ手順で作業ができることが求められます。
また、内容の更新頻度や教育体制の整備も重要です。
4)後戻りしないようチェック体制を構築する
チェックリストなどを取り入れ
手順書で決められた作業が守られているかを定期的に確認することでミスの再発防止につながります。
5)KPIの設定と定期的な確認をする
「ミス件数」や「作業時間」などの数値(KPI:重要業績評価指標)を設定し
定期的に振り返る仕組みを持ちましょう。
改善の成果を可視化することで、現場の意識向上にもつながります。
KPIについて、詳しくは下記の記事もぜひご参考にしてください。
4. 物流品質向上に役立つ「QCストーリー」とは?
前述した5つの改善ポイントは、物流品質向上において基本となる重要な視点です。
しかし、それらを効果的に実践し、安定して成果を出すためには
体系的な「型」を活用することが一つの有効な手段です。
そこで注目したいのが、「QCストーリー」という改善活動のフレームワークです。
「QCストーリー」とは、品質管理における問題を解決するための進め方のことです。
引用元:QCストーリー・QC手法 - 品質管理なら日本科学技術連盟
QCストーリーは全8ステップで構成され、改善プロセスをわかりやすく体系化しています。
- テーマの選定
- 現状把握
- 目標設定
- 活動計画の作成
- 要因解析
- 対策の検討と実施
- 効果の確認
- 標準化と管理の定着
この手順で改善を進めていくことで
属人的なやり方から卒業し、仕組み化された改善活動が可能になります。
当社では、このQCストーリーを活用した改善活動を
多数の拠点で定期的に実施しており、現場の改善に大きく貢献しています。
5.まとめ|物流品質向上は知ることから始めましょう
物流の品質低下は、現場だけでなく経営リスクにも直結します。
属人的な対応ではなく、仕組み化された改善が必要です。
今回ご紹介したポイントやQCストーリーを活用し
まずは現場の課題を正しく「知る」ことから始めましょう。
品質改善は「やり方」を理解し、実践することが第一歩です。
また、品質改善には多くのリソースが求められるため、社内だけでの対応に限界を感じる場合もあります。
そんな時は、第三者の視点や専門の外部パートナー(3PL)を活用するのも有効な手段です。
客観的な意見や支援が、新たな気づきと改善のヒントをもたらしてくれます。
物流品質の課題でお困りの方は、ぜひお気軽に下記よりお問い合わせください。
当社の3PLサービスが、現場の負担を減らしながら品質向上を実現する
最適なソリューションをご提供します。