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物流現場の人員配置の考え方|物量に合わせた必要人数の算出方法

物流現場では、「人が足りず残業が増えている」「反対に人員が余り、人件費が増加している」
といった問題が頻繁に発生します。

こうした問題の背景には、物量に対して適切な人員配置ができていないケースがあります。
経験や勘による判断も重要ですが、それだけでは変動する物流需要に対応することは難しくなります。

特に近年は人手不足や物流コストの上昇が続いており、データに基づいた人員配置の考え方が重要です。

本記事では、物流現場における人員配置の考え方や、物量に合わせた必要人数の算出方法について
わかりやすく解説します。

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目次[非表示]

  1. ・1.物流現場で必要人数算出が重要な理由
    1. ・1)人員不足が引き起こす問題
    2. ・2)人員過多が引き起こす問題
    3. ・3)物流現場における適正配置の重要性
  2. ・2.必要人数算出から考える物流現場の適正人員配置
    1. ・1)工程全体を見据えた人員配置
    2. ・2)進捗状況の数値化と管理
    3. ・3)多能工化による柔軟な人員配置
    4. ・4)作業者とのコミュニケーションも重要
  3. ・3.物流現場における必要人数算出の考え方
    1. ・1)必要人数算出の基本式
    2. ・2)必要人数算出に必要なデータ
    3. ・3)必要人数算出の具体例
  4. ・4.必要人数に基づく人員配置計算の進め方
    1. ・STEP1:現状の生産性を把握
    2. ・STEP2:物量を予測
    3. ・STEP3:必要人数を算出
    4. ・STEP4:必要人数をシフトへ落とし込む
    5. ・STEP5:余裕率の考慮
  5. ・5.必要人数算出で失敗しないための注意点
    1. ・1)想定を上回る物量への対応課題
    2. ・2)想定を下回る物量への対応課題
    3. ・3)算出結果を目安とした運用
    4. ・4)多能工化も進めて柔軟に対応
  6. ・FAQ
    1. ・Q.必要人数はどのくらいの頻度で見直すべきですか?
    2. ・Q.新規物流センター立ち上げで、過去実績や繁忙期データがない場合はどうすればよいですか?
    3. ・Q.人員配置計画と実績に差が出た場合はどう対応すべきですか?
  7. ・6.まとめ|必要人数算出を活用した物流現場改善

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1.物流現場で必要人数算出が重要な理由

1)人員不足が引き起こす問題

物流現場において人員不足は様々な問題を招きます。

なぜなら、作業量に対して十分な人員が確保できないと、一人あたりの負荷が増加するためです。

例えば、ピッキングや検品作業が集中すると残業が発生しやすくなり、誤出荷や作業ミスへつながり
その結果、顧客満足度の低下につながる可能性があります。

適正な人員配置は、サービス品質を維持するためにも欠かせません。

2)人員過多が引き起こす問題

一方で人員が多すぎる状態にも注意が必要です。

人員に余裕がありすぎると、手待ち時間が発生し、人件費が増加します。

物流コストの中でも人件費は大きな割合を占めるため、過剰配置は利益を圧迫する要因になります。

コストと品質を両立させるためには、過不足のない配置が重要です。

3)物流現場における適正配置の重要性

適正な人員配置を実現できれば

  • 人件費の最適化
  • 生産性向上
  • 品質維持

といった効果が期待できます。
そのため、多くの物流センターでは必要人数の算出に取り組んでいます。

2.必要人数算出から考える物流現場の適正人員配置

1)工程全体を見据えた人員配置

人員配置を考える際は、各工程単体ではなく、物流センター全体の流れを見ながら判断することが重要です。

なぜなら、特定工程だけ人員を増減すると、後工程や前工程とのバランスが崩れるためです。

例えば、ピッキング工程の進捗が遅れると、梱包工程や出荷工程にも影響が及びます。

逆に前工程だけが早く進んでしまうと、後工程で滞留が発生する場合があります。

そのため、人員配置は部分最適ではなく、全体最適の視点で考える必要があります。

2)進捗状況の数値化と管理

適切な人員配置を実現するためには、進捗の見える化が欠かせません。

例えば

  • 時間当たり計画処理物量
  • 時間当たり実績処理物量
  • 進捗率

などを確認すると、計画との差異を早期に発見できます。

進捗状況を把握することで、人員の追加や配置転換などの判断を迅速に行えるようになります。

3)多能工化による柔軟な人員配置

物流現場では物量の変動が避けられません。

そのため、固定された担当工程だけでは対応が難しくなります。

例えば、配送単価の高い事業所では、配送コスト削減のために
中物部品と小物部品をまとめて出荷するケースがあります。

この場合、小物ピッキングと中物ピッキングの進捗を合わせなければ
どちらかの工程で滞留が発生します。

そこで重要になるのが多能工化です。

複数工程を担当できる作業者を育成することで、状況に応じた柔軟な人員配置が可能になります。

4)作業者とのコミュニケーションも重要

人員配置は数値だけで決めるものではありません。

現場で実際に作業している作業者からは

  • 作業しにくい場所
  • 動線上の問題
  • 滞留しやすい工程

などの情報を得られます。

管理者が現場と積極的にコミュニケーションを取りながら配置を調整することで
より実態に合った改善につながります。

また、配置変更の理由を共有することで、現場の納得感も高まります。

▼物流現場で柔軟な人員配置を可能にする「多能工化」については、以下の記事で詳しく解説しています。

3.物流現場における必要人数算出の考え方

1)必要人数算出の基本式

必要人数を計算する際の基本的な考え方はシンプルです。

必要人数=計画物量÷(生産性×稼働時間)
で求められます。

計画物量と生産性を把握することで、感覚ではなく数字に基づいた配置計画が可能になります。

2)必要人数算出に必要なデータ

正確に算出するためには、以下のようなデータを収集します。

  • 入出荷物量
  • ケース数
  • ピース数
  • 作業時間
  • 作業別生産性 など

こちらの情報を継続的に記録することで、配置計画の精度が向上します。

3)必要人数算出の具体例

例えば

  • 出荷量:6,000ケース
  • 生産性:75ケース/時間
  • 稼働時間:8時間

の場合

6,000ケース÷(75ケース/時間×8時間)=10人

となります。

このように必要人数を算出することで、根拠を持った人員配置が可能になります。

4.必要人数に基づく人員配置計算の進め方

STEP1:現状の生産性を把握

まずは現場の実力を把握します。

ピッキング、仕分け、検品など工程ごとの生産性を測定し、基準値を設定します。

STEP2:物量を予測

次に物量予測を行います。

過去実績や季節要因、販促キャンペーンの情報などを参考にすると精度が高まります。

STEP3:必要人数を算出

収集した物流データと生産性データをもとに、必要人数を計算します。

算出結果を基にシフトや要員計画を作成します。

STEP4:必要人数をシフトへ落とし込む

必要人数を算出した後は、現場の運営状況を踏まえながら勤務シフトへ反映します。

物流現場では、出勤人数が必要人数を満たしていたとしても、時間帯によって物量が変動するため
人員不足や余剰が発生する場合があります。

例えば、1日あたり10人が必要と算出された場合でも

  • 午前中に入荷が集中する
  • 午後に出荷作業が増加する
  • 昼休憩で一時的に稼働人数が減少する

といった状況を考慮しなければなりません。

そのため、必要人数を日単位だけで判断するのではなく
時間帯ごとの作業量も踏まえて検討することが重要です。

また

  • フルタイム勤務者
  • 短時間勤務者
  • 応援要員

を組み合わせることで、作業量の波動に応じた柔軟な人員配置が可能になります。

算出した工数を単純に人数へ置き換えるのではなく、実際の勤務時間や休憩時間まで考慮し
シフトとして無理なく運用できるかを確認することが重要です。

こうした調整を行うことで、現場の状況に即した実効性の高い人員配置計画につながります。

STEP5:余裕率の考慮

計算結果をそのまま採用するのではなく

  • 欠勤
  • 教育
  • 突発対応
  • 安全管理

なども考慮しましょう。

余裕率を考慮した配置計画が安定運営につながります。

5.必要人数算出で失敗しないための注意点

1)想定を上回る物量への対応課題

必要人数の計算は、予測した物量をもとに行います。しかし、実際の物流現場では受注増加や
突発的な出荷依頼などにより、想定を超える物量が発生することがあります。

そのため、算出した必要人数を固定的に運用するのではなく
実績との比較や定期的な見直しを行うことが重要です。

2)想定を下回る物量への対応課題

想定を下回る物量となった場合は、物量に合わせて直接作業工数を調整することが重要です。

物量が減少したにもかかわらず同じ人数を配置し続けると、生産性が低下し
人件費の増加につながります。

細かな生産性データを活用することで、物量に応じた適正な人員配置が可能となり
物量が下振れした場合でも高い生産性を維持した効率的な物流運営につながります。

3)算出結果を目安とした運用

必要人数の計算結果は、人員配置を検討するための目安です。

実際には、作業者の習熟度や扱う商品の特性、設備環境などによって生産性は変動します。
また、欠勤や教育対応などによっても必要な人員数は変わります。

そのため、計算結果だけに頼るのではなく、現場の状況も踏まえて判断することが大切です。

4)多能工化も進めて柔軟に対応

物量の変動に対応するためには、必要人数の計算だけでなく、多能工化も重要です。

担当業務が固定化されている場合、特定工程に人員が不足しても他工程から応援できず
作業の停滞が発生する可能性があります。

複数の工程に対応できる作業者を育成しておくことで、状況に応じた柔軟な人員配置が可能になります。

▼物流生産性については以下の記事で詳しく解説しています。

FAQ

Q.必要人数はどのくらいの頻度で見直すべきですか?

A.物量変動の大きい現場では日次、小さい現場でも月次で見直すことをおすすめします。

Q.新規物流センター立ち上げで、過去実績や繁忙期データがない場合はどうすればよいですか?

A.過去実績がない場合は、荷主の販売計画や出荷予測、類似拠点の実績を基に
想定物量を設定します。

ただし、予測と実績に差が生じることも多いため、立ち上げ初期は余裕率を加味した
人員計画とし、稼働後に実績データを収集しながら継続的に見直すことが重要です。

Q.人員配置計画と実績に差が出た場合はどう対応すべきですか?

A.まずは物量予測と実績、人員配置、生産性のどこに差があったのかを分析します。
そのうえで、工程ごとの進捗状況を確認し、遅れが発生している工程へ応援配置を行うことが重要です。

また、人員配置計画と実績に差がでること自体は珍しくありません。
重要なのは、計画通りに運営することではなく、状況に応じて柔軟に対応できる体制を整えることです。

そのためには、多能工化を進めて工程間で人員を融通できるようにし
物流センター全体の進捗を見ながら調整することが求められます。

6.まとめ|必要人数算出を活用した物流現場改善

物流現場の人員配置は、経験や勘だけではなく、データに基づいて判断することが重要です。

今回のポイントを整理すると

  • 必要人数は「作業量÷(生産性×稼働時間)」で算出できる
  • 人員不足は残業増加や品質低下の原因となる
  • 人員過多は人件費増加や生産性低下につながる
  • 物量予測と生産性分析が適正配置の精度を左右する
  • 工程単位ではなく物流センター全体を見た配置が重要である
  • 進捗を数値化し、状況に応じて配置を見直すことが重要である
  • 多能工化を進めることで、工程間の応援体制を構築し、物量変動にも柔軟に対応できるようにする

人手不足や物流需要の変動が続く中、必要人数の算出を人員配置の基準
として活用しながら、定期的な見直しと継続的な改善を行うことで
物流現場の生産性向上と安定運営につなげていきましょう。

人員配置や物流現場の改善でお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

営業部スタッフ( 監修: 営業部 部長)
営業部スタッフ( 監修: 営業部 部長)
2026年にアドバンスト・ロジスティックス・ソリューションズ株式会社へ入社し 営業部に所属。前職では営業職を経験し、入社後は物流現場研修を通じて 物流センターの業務や運営の基礎を学ぶ。 現在は営業活動を通じて荷主企業の物流課題に向き合い 現場で得た知識と営業の視点をもとに、物流改善や3PLに関する情報を発信している。 【監修者(2006年入社/営業部 部長)】 医薬品を中心に複数拠点の事業所長を歴任し、 現場運営からチームマネジメントまで幅広く担当。 トヨタ式改善を基盤に、安定稼働・原価低減・品質向上を実現。 前職では全国規模の物流再編プロジェクトにおいて新センター立ち上げを推進。 豊富な現場経験を活かし、物流現場の課題解決やネットワーク再構築に向けた 提案を実施している。

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