
物流現場の改善優先順位の付け方|正味・付随/付帯・ムダの3分類で“やる順番”が決まる
現場視点の分類から改善優先順位の付け方を整理します。
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物流改善の優先順位|なぜ「順番」を間違えると改善が進まないのか
多くの物流センターには、次のようなテーマが同時多発しています。
- ピッキング動線のムダ
- 在庫ロケーションの不整合
- 入荷検品の二度手間
- シフト作成の属人化
- ミス削減の仕組みづくり …など
あれもこれも同時に着手すると、どれも中途半端になりがちです。
物流改善の優先順位を決める前に|現場作業を「正味/付随・付帯/ムダ」に分解する

作業は、次の3つに分けて考えます。
区分 | 意味 | 例(物流現場) |
|---|---|---|
正味作業 | お客様に直接価値を生む作業 | 商品を取る/箱詰め など |
付随/付帯作業 | 価値は生まないが現状必要な作業 | 商品を取りに行く/包装を取る/資材補充 など |
ムダ | なくしても困らない不要な作業 | 手待ち/不明品を探す/手ぶらで歩く など |
分類に迷ったら、
「これが無いと、作業はできない?」と問いかけてみましょう。
- YES → 付随/付帯作業
- NO → ムダ

迷いがちな例1:出荷検品の二重チェック
誤出荷リスクを考えると今すぐはやめられないが、明らかに時間を割いてしまっている
現状では「付随作業」として扱い、誤出荷率などのデータを見ながら将来的な削減を検討します。
迷いがちな例2:ピッキングミス防止のための蛍光ペンマーキングや付箋貼り
正式な標準手順ではないが、現場メンバーの“自己防衛”として行われている
一旦は「ムダに近い付随作業」として扱い、なぜそうしないと不安なのかをヒアリングすることで
根本的な仕組み改善(リスト表記の見直しなど)につなげます。
物流改善の優先順位の付け方|3分類で“やる順番”を決める
STEP | 01 |
ムダは最優先で「なくす」対象

「なくせないか?」と問いを立ててなくす方法を考えてみましょう。
- 具体例
事象の例 ) ピッキング時に取り間違えた商品を棚に戻す
改善の例 ) 似ている商品を隣同士に置かないようにレイアウトを変更する、棚ラベルに写真や色を追加し、識別しやすくするなど
※トヨタ式改善の要因分析などの解説は、ここでは省略しています。
対策のポイント
- 原因は「人の注意力不足」と決めつけず、
レイアウト・表示・システム側の設計 から見直す - 「取り違え→棚戻し」というムダがゼロに近づけば
その分、正味のピッキング時間が増やせます
STEP | 02 |
付随・付帯作業は減らすと、大きな効果が出やすい
回数が多いため、合計すると大きな時間 になります。
良い改善アイデアが出やすい部分です。
- 具体例
事象の例 ) 台車を取りに行く作業が1日に何度も発生している
改善の例 ) 作業場の近くに台車を置くレイアウトに変更する、「定位置管理」を導入し、誰でもすぐ取れる場所に戻すルールを徹底など
※トヨタ式改善の要因分析などの解説は、ここでは省略しています。
STEP | 03 |
正味作業は「最後」だが、放置していいわけではない
むやみに削ると品質低下・クレーム増加につながるリスク があります。
- 手順書の整備と標準時間の設定
- 作業環境(照度・台の高さ・マテハン)の見直し
- 教育手順の見直しによる習熟スピードの向上
中長期的な品質・生産性向上には不可欠 なテーマです。
物流改善の優先順位を現場で決める|「優先順位決定」5ステップ
まずは、10分間現場を観察してみましょう。
いきなり改善案を出さずに、現状をそのまま書き出します。
- ミニワークの手順
- 実際に行っている作業を5〜10個書き出す
- 正味/付随付帯/ムダに分類する
- 迷ったら「この動作がないと作業はできない?」で判定する
- 各作業に「時間と回数」をメモする
- ムダ→付随付帯→正味の順で改善に着手する
- 頻度×時間のインパクト
1回あたりの時間が短くても、1日何十回も発生するなら優先度を上げる。 - 品質・安全への影響度
多少のムダがあっても、品質・安全リスクを下げている作業は、
短期的には維持する判断もあり得る。
「一度は受け止めてから設計を見直すべき付随作業」なのかを切り分けていくと
現場との合意形成もしやすくなります。
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・正味・付随・付帯・ムダの定義と、物流現場での具体例
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物流改善の優先順位FAQ(よくある質問)
Q1. 付随と付帯の違いは?
付随は「毎回のサイクル内」で発生しやすい作業です。
付帯は「何回かに1回」発生する作業です。
似ていますが、トヨタ式改善ではどちらも改善の余地があると判断して取り組みます。
Q2. 付随/付帯とムダの境目で迷ったらどうしますか?
⇒NOなら、ムダ(なくしても困らない作業)
Q3. 作業を書き出すとき、何から始めればいいですか?
物流改善の優先順位|まとめ
作業を正味/付随・付帯/ムダ に分けると、改善の方向が見えます 優先順位はムダ → 付随・付帯 → 正味 の順で考えると迷いにくいです 「書き出す→分類→時間と回数を見る」だけでも、改善の余地が見つかります 判断に迷ったら「これが無いと作業できる?」の一問で整理しましょう
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