
物流倉庫の入荷改善で生産性を高める方法| 最優先で取り組むべきは「入荷の平準化」
倉庫の入荷作業では、次のような悩みがよく発生します。
検品が追いつかず、仮置きが増えて現場が荒れる 荷待ちが発生し、バース前にトラックが滞留する 格納が遅れ、入荷エリアがボトルネックになる 結果として残業が常態化する
教育の徹底といった「作業改善」に取り組んでいます。
しかし実際には、改善を進めているにもかかわらず
思ったほど生産性が上がらないケースも少なくありません。
その原因の多くは、作業そのものではなく
入荷量や入荷タイミングに発生している“波動(ムラ)” にある場合が多く存在します。
作業をいくら整えても、入荷が特定の曜日や時間帯に集中していれば
現場全体の処理能力は安定せず、滞留や残業が発生しやすくなるのです。
本記事では、物流倉庫の入荷改善で生産性を高める方法として
まず最優先で見直すべき「入荷の平準化」にフォーカスして
どのような考え方・方法で進めるべきかを分かりやすく解説します。
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物流倉庫の入荷改善で生産性が低下する原因とは

物流倉庫における入荷作業は、一般的に以下の3工程で構成されています。
入荷・荷受
- トラックの接車
- 納品書の受領
- 荷下ろし・一時搬入
検品
- 数量・品目チェック
- 破損・汚損確認
- 帳票・データとの照合
格納(入庫)
- 保管ロケーションの確定
- 搬送・棚入れ
- 在庫反映
これらの工程は連続して処理されるため
どこか一つでも処理が滞ると、入荷全体の流れに影響が出てしまう構造となっています。
多くの物流倉庫では、一つ一つの工程の中で、作業改善を行う場合が多くありますが
実際には、工程ごとの処理能力だけでなく
入荷が特定の時間帯や曜日に集中することによって
一時的に処理能力を超える負荷が発生している
ことが、生産性低下の主な原因となっているケースも少なくありません。
工程ごとの効率を高めることももちろん重要ですが
入荷の集中による負荷変動を放置したままでは
仮置きの発生や工程待ちといったムダが連鎖しやすくなります。
物流倉庫の入荷改善で最優先すべき方法は「入荷の平準化」
(平準化とは?)
波動(ムラ)を小さくするという考え方のことです。
物流の流れを安定して運営するためには、入出荷や作業量の波動(ムラ)を小さくすることが重要です。
本来の平均能力が発揮できない状態に陥るケースも多々あります。
入荷平準化を進める際のポイント
実務では
・バース時間の指定ルールを設ける
・ASN(事前入荷情報)の活用
・トラックの誘導・待機ルールの明確化
といったセンター内で完結できる取り組みに加え
メーカーや仕入先に対して
物流センターの処理能力や運営状況を踏まえた納品タイミングの見直しを依頼する
といった調整も場合によっては必要となります。
入出荷や作業量に波があるまま運営を続けると
現場はピークに合わせた運営体制になりやすく
人・設備・スペースを過剰に確保せざるを得ません。
そのため、荷主と物流の双方が波動を小さくする視点を持ち
納品日やロットの分散を進めていくことで生産性が安定し
結果として物流コスト削減につながる重要なポイントです。
【事例】物流倉庫の入荷改善で生産性を向上させた運営事例

実際の現場では週末など特定の曜日に入荷が集中し、波動が常態化しているケースも少なくありません。
- Before
当社が運営している物流倉庫でも、特定曜日への入荷集中により
- 倉庫内の仮置きが常態化
- 一時的な人員増強や残業で対応
- 余分な工数が発生
- After
入荷タイミングの見直しを実施しました。
余分な工数や残業が発生しにくい運用となり、物流コスト削減にもつながりました。
物流倉庫の入荷改善と生産性向上に繋げるアウトソーシング活用方法
入荷量の波動が大きく、社内リソースだけで処理能力を維持できなくなっている場合
アウトソーシングの活用を検討すべきタイミングに入っている可能性があります。
入荷業務のために専任人員を配置できず
本来注力すべき製造や販売といった本業にまで影響が及ぶケースも見受けられます。
ただし、アウトソーシングは入荷の波動そのものを小さくする施策ではありません。
外部委託によって処理能力を補完することは可能ですが
入荷の集中が解消されるわけではなく
ピーク時には工程待ちが発生する可能性があります。
一方で、3PL事業者の中には納品条件や入荷タイミングの見直しといった
荷主やメーカーとの調整を含めたサプライチェーン全体最適の視点で
改善を行うことが出来る場合があります。
アウトソーシングを活用する際は
作業委託にとどまらず、平準化を含めた運用改善に対応できるか
という観点で委託先を選定することが重要です。
▼物流アウトソーシングの注意点は以下のブログにまとめてあります。
物流倉庫の入荷改善で生産性を高める方法まとめ
物流倉庫の入荷改善で生産性を高めるには、作業手順の見直しだけでなく
まず「入荷の平準化」に取り組むことが重要です。
本記事では、入荷改善を進めるうえで
押さえておきたいポイントとして、以下の内容を解説しました。
入荷の生産性低下は、作業そのものではなく物量の偏りが原因となる場合が多い 入荷が特定の曜日・時間帯に集中すると、工程間の待機が増加する 工程待ちが発生すると、移動や仮置きなどの付帯作業が増え生産性が低下する 生産性を高めるには、まず入荷ロットや時間帯の平準化が大事 平準化は物流センターだけでなく、荷主やメーカーとの調整も重要となる 3PLの活用により、入荷設計の見直しまで含めた改善を進められる場合がある
どの曜日に入荷が集中しているのか、どの時間帯に処理負荷が高まっているのか
といった波動の実態を整理し、入荷の平準化から着手することをおすすめします。
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