
物流拠点最適化とは?概要や主な効果、進め方までを解説
「倉庫が手狭になってきた」
「物流費が毎年上がっている」
「設備が古くなってきたため拠点配置を含めた見直しがしたい」
「売上拡大に伴う物流機能の強化がしたい」
こうした悩みを抱えながら、 抜本的な対策に踏み出せていない企業は少なくありません。
さらに2024年問題による輸送能力低下も課題です。
国土交通省は、何も対策を講じなければ2030年には輸送力が約34%(約9億トン相当)不足すると試算しています。
このような環境変化に対応する有効な手段のひとつが、物流拠点最適化です。
本記事では物流拠点最適化の概要と効果、そして成功させるための進め方を解説します。
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1.物流拠点最適化とは?

物流拠点最適化とは、拠点の移転や統廃合だけを指す言葉ではありません。
コスト抑制とサービスレベル向上を同時に実現するためには
各拠点の機能・役割を整理し、輸送構造や在庫配置も含めた見直しが必要です。
加えて、自社の中長期的な事業計画を踏まえた
過不足のない物流ネットワークの検討も欠かせません。
つまり、物流拠点最適化とは
コスト抑制やサービスレベル向上のための“面”の再設計と
将来の成長に対応するための“軸”の設計を同時に行う経営判断と言えます。
2.物流拠点最適化で得られる効果
物流拠点最適化による主な効果は下記のようなものが挙げられます。
1)輸送費の抑制
拠点配置を見直すことで、輸送効率が向上する場合があります。
また、拠点間の横持ち輸送が減れば、不要な二次配送も削減できます。
輸送費は物流費の大きな割合を占める項目です。
物流拠点最適化によるネットワーク再設計は構造的なコスト改善につながります。
2)過剰在庫・欠品リスクの抑制
拠点最適化の重要な効果のひとつが、過剰在庫と欠品リスクの抑制です。
拠点数が多い場合、各拠点で安全在庫を確保する必要があるため
在庫が分散・積み上がり、総在庫量が増加しやすくなる傾向があります。
一方で、拠点数が少ない場合は在庫を集約できるため総量は抑えられますが
配送距離の長期化や補充リードタイムの伸長により
需要急増や地域偏在に十分追随できず、欠品が発生しやすくなる可能性があります。
「どこで何を持つのか」を整理することで
在庫を単に増減させるのではなく
適切な場所へ適切な量を配置できるようになります。
過剰在庫(つくりすぎのムダ)や欠品(販売機会のロス)は
企業にとって最も避けたいリスクのひとつです。
3)リードタイムの短縮・安定化
顧客に近い場所に在庫を配置できれば、納品までの時間を短縮できます。
また、拠点間移動が減ることで出荷までのリードタイムも安定します。
EC市場の拡大等により短納期化が進む昨今では
リードタイムの短縮・安定化はサービスレベルを左右する重要な要素です。
4)BCP(Business Continuity Plan)の強化
自然災害やシステムトラブルなどによる
突発的な供給ライン停止はいつ発生しても不思議ではありません。
拠点機能を整理し代替可能な体制を構築しておくことで事業継続性が高まります。
単一拠点への過度な依存は、大きな経営リスクになりえます。
拠点最適化はリスク分散の観点からも重要な要素のひとつです。
5)将来的な事業拡大への対応
中長期の事業計画を踏まえ拠点最適化を検討することで
将来的な売上拡大や新規エリア進出・EC市場への新規参入などの事業拡大に対応できます。
また、ネットワークを将来拡張性を考えて設計しておくことで
後追いでの拠点追加や移転に伴うコスト・リスクも抑えられます。
3.拠点最適化を判断する4つの評価軸
拠点再編を検討する際は評価軸を明確にすることが重要です。
代表的評価軸として挙げられる項目は
「サービスレベル」「コスト構造」「リスク耐性」「将来拡張性」の4つです。
この4軸を同時に検討することで、判断の偏りを防ぐことができます。
表.拠点最適化の代表的な評価軸一覧
サービスレベル | コスト構造 | リスク耐性 | 将来拡張性 | |
評価項目 | ・リードタイム | ・固定費 | ・災害対応力 | ・物量増対応力 |
評価の視点 | 顧客満足は | 物流費は | 事業継続性を | 中長期の成長戦略に |
サービスレベルの低下は売上や信頼に直結します。
一方で、サービスレベルのみを重視し
コスト構造の見直しなしに物流ネットワークを構築してしまうと
近年の労務単価上昇などの影響を抑制できずコスト競争力を失う可能性があります。
また、事業継続性の観点が反映できていないと
突発的なトラブルの際の影響は甚大になりやすくなります。
売上拡大や商圏拡張、EC比率の上昇、取り扱いSKU増加など
将来的な物量増加に柔軟に対応できる構造かどうかも重要です。
物流拠点最適化では上記4つの評価軸を横並びで比較し検討することが大切です。
4.代表的な拠点戦略パターン
代表的な拠点戦略にはいくつかの型があります。
1)拠点統合型
複数の拠点を統合し、少数の大型拠点に再編する戦略です。
このパターンは、固定費削減や在庫圧縮といったコスト構造の最適化に強みがあります。
在庫分散を抑えられるため、在庫回転率の改善も期待できます。
一方で、拠点数が減ることで配送距離が伸びる可能性があり
サービスレベルやリスク耐性とのバランス検討が不可欠です。
また、単一拠点依存が強まるため、BCP対策を前提とした設計が求められます。
2)多拠点配置型
複数拠点を維持または新設し、商圏ごとに在庫を配置する戦略です。
このパターンは、リードタイム短縮や即日配送強化など
サービスレベル向上に強みがあります。
また、拠点が分散することで、災害や障害時のバックアップ機能が働きやすく
リスク耐性の向上にも寄与します。
ただし、在庫分散による在庫増加や固定費増のリスクは高くなるため
コスト構造との整合が重要になります。
3)ハブ&スポーク型
中核となる基幹拠点を設けつつ
一部エリアには小規模拠点や中継拠点を配置する戦略です。
このパターンは、コスト効率・サービスレベル・リスク耐性・将来拡張性
のバランスを取りやすい点に強みがあります。
基幹拠点で在庫集約による効率化を図りつつ
需要の高いエリアにはサテライト拠点を配置することで
リードタイム短縮やピーク対応力を確保しやすくなります。
さらに、サテライト拠点の増設という形で
段階的な拡張が可能であり、将来拡張性の確保という観点でも優れています。
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5.物流拠点最適化を成功させるための進め方

1)目的と評価軸を明確にする
まず、物流拠点最適化の目的を明確にします。
・サービスレベルを引き上げたいのか
・コスト構造を抜本的に見直したいのか
・BCPなどのリスク耐性を高めたいのか
・将来の事業拡大に対応するネットワークを構築したいのか
サービス・コスト・リスク耐性・将来拡張性のどこに重きを置くのかによって
選択すべき拠点戦略は変わります。
ここが曖昧なまま進めると、途中で判断基準がぶれてしまう可能性があります。
2)現状を正確に把握する
次に、自社の物流ネットワークの現状を把握します。
単なる費用集計ではなく、
・出荷分布
・拠点別の在庫配置
・輸送効率
・拠点間移動の発生状況
などを網羅的に整理することが重要です。
現状を正確かつ定量的に把握することが、物流拠点最適化の成否を大きく左右します。
3)最適な物流拠点案を検討し、総合評価する
現状分析の結果と今後の事業計画を踏まえ、最適な物流拠点案を検討します。
サービス・コスト・リスク耐性・将来拡張性の4軸で評価を行い
自社の目的に最も整合するネットワーク構造を見極めます。
短期的なコストだけでなく、中長期の事業成長やリスク対応力まで含めて判断することが重要です。
4)段階的に実行する
物流拠点の最適化では、拠点移転や契約見直し、在庫再配置など多くの変化が発生します。
一度にすべてを変更するのではなく、フェーズを区切りながら移行することで、リスクを抑えられます。
無理のない実行計画を設計することが、成功の鍵となります。
6.物流拠点最適化のまとめ
物流拠点最適化は、単なる倉庫の移転や統廃合ではありません。
コスト抑制とサービスレベル向上を両立しながら、将来の成長やリスクにも備えるための経営判断です。
輸送費の上昇や人手不足、2024年問題など、物流を取り巻く環境は大きく変化しています。
従来の延長線上にある対症療法では、構造的な課題は解決できません。
重要なのは、サービス・コスト・リスク耐性・将来拡張性という
4つの評価軸を横並びで整理し、自社の事業戦略に整合するネットワークを設計することです。
また、目的を明確にし、現状を定量的に把握し
総合評価を行ったうえで段階的に実行するというプロセスが欠かせません。
構想に沿って詳細条件を詰め、実行までやり切る体制づくりが求められます。
当社では、構想段階での戦略整理から
拠点選定・在庫設計・運用設計といった詳細検討
さらには実行フェーズまで一貫して支援することが可能です。
物流の企画・設計と現場運用の両面を理解している3PLとして、実効性ある最適化をサポートします。
物流はコストではなく、競争力を支えるインフラです。
拠点最適化を通じて、持続可能で強い物流ネットワークを構築していくことが、
これからの企業経営に求められています。
「自社の場合はどの拠点戦略が適切なのか整理したい」
「現状ネットワークの課題を客観的に把握したい」
このようなお悩みがありましたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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