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物流の工程内不良を減らすには?原因分析から再発防止まで改善活動の進め方を解説

物流品質を向上させるために工程内不良を管理しているものの

• 工程内不良の件数が減らない
• 同じ品質不良を繰り返してしまう
• 現場改善が思うように進まない

このような悩みを抱える物流担当者は少なくありません。

工程内不良は、件数を集計して管理するだけでは改善につながりません。
重要なのは、不良が発生した原因を分析し、再発しない仕組みを構築することです。

また、工程内不良を改善することは、品質向上だけではなく
手戻りや再作業の削減による生産性向上にもつながります。

本記事では、物流における工程内不良の原因分析の考え方から
改善の進め方までを分かりやすく解説します。

【工程内不良(ヤードクレーム)とは?】
物流センター内の各工程で発生した品質不良のうち出荷前に発見・是正できた不良を指します。
(庫内で発覚した誤ピッキングや数量違い、商品破損、梱包不良など)
一方、庫内で発見できず、顧客へ出荷された後に発覚した品質不良は
市場流出不良(マーケットクレーム)と呼ばれ、顧客満足度の低下だけでなく
返品・交換対応などの追加コストや企業の信用低下にもつながります。

工程内不良やヤードクレーム・マーケットクレームの考え方については
「物流品質KPIとは?管理すべき指標と品質改善につながる運用方法を解説」で詳しく解説しています。

目次[非表示]

  1. 物流倉庫で工程内不良が減らない企業の共通点
    1. 件数を管理することが目的になっている
    2. 真因が特定できていない
    3. 改善策が教育や注意喚起に偏っている
    4. 改善後の効果を検証できていない
  2. 物流工程内不良改善の基本的な考え方
    1. 工程内不良の原因分析は4Mの視点で行う
    2. 工程内不良改善は「人ではなく仕組み」を変える
  3. 物流工程内不良改善の5つのステップ
    1. STEP1 工程内不良を事象まで把握する
    2. STEP2 真因を分析する
    3. STEP3 真因に対する改善策を実施する
    4. STEP4 改善内容を標準化する
    5. STEP5 PDCAを回し継続的に改善する
  4. 物流工程内不良改善で陥りやすい3つの失敗
    1. 注意喚起や声掛けだけで終わってしまう
    2. やみくもに検査工程を増やす
    3. 改善内容を標準化できていない
  5. 物流工程内不良改善は品質と生産性の両立につながる
  6. 物流倉庫での工程内不良でよくある質問
    1. Q. 工程内不良(ヤードクレーム)と市場流出不良(マーケットクレーム)の違いは何ですか?
    2. Q. 工程内不良を減らすために最初に取り組むべきことは何ですか?
    3. Q. 4M分析とは何ですか?
  7. まとめ|物流工程内不良改善で大切なこと

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物流倉庫で工程内不良が減らない企業の共通点

工程内不良を管理しているにもかかわらず、改善につながらない企業には共通した課題があります。
ここでは、多くの物流現場で見られる代表的な課題を紹介します。

件数を管理することが目的になっている

工程内不良を毎月集計し、件数を報告している企業は少なくありません。
しかし、件数を管理するだけでは品質は改善しません。

重要なのは、「どの工程で」「どのような不良が」「なぜ発生したのか」を把握し
改善活動につなげることです。

KPIは管理するための数字ではなく、改善活動の方向性を示す指標として活用することが重要です。

真因が特定できていない

工程内不良が発生すると、その場で対策を講じて終わってしまうケースがあります。

例えば、「確認不足だった」「忙しかった」といった理由だけで終わらせてしまうと
同じ不良を繰り返す可能性があります。

品質改善では、発生した現象だけを見るのではなく、「なぜ発生したのか」を分析し
真因を明らかにすることが重要です。

原因を正しく把握できて初めて、再発防止につながる改善策を立案できます。

改善策が教育や注意喚起に偏っている

品質不良が発生すると、「再教育を実施する」「注意喚起を徹底する」といった
改善策が取られることがあります。

もちろん教育は重要です。
しかし、人は誰でもミスをする可能性があります。

教育だけに頼った改善ではなく、ミスが起きにくい作業方法や仕組みを構築することが
継続的な品質向上には欠かせません。

改善後の効果を検証できていない

改善活動は、改善策を実施して終わりではありません。

改善後も工程内不良件数や品質KPIを継続的に確認し
改善前後でどのような変化があったのかを検証することが重要です。

改善と検証を繰り返しながらPDCAを回すことで、物流品質は継続的に向上していきます。

物流工程内不良改善の基本的な考え方

工程内不良を改善するためには、発生した不良に対して場当たり的に対応するのではなく、改善活動の基本的な考え方を理解したうえで、原因分析や改善策を実施することが重要です。

ここでは、工程内不良改善を進めるうえで押さえておきたい2つの考え方を解説します。

工程内不良の原因分析は4Mの視点で行う

工程内不良を改善するためには、発生した不良に対して真因を明らかにすることが重要です。
しかし、やみくもに分析を行っても、原因分析の視点に偏りが生じることがあります。

4M「人・方法・モノ・設備(システム)」の視点を意識して分析することで
原因の見落としを防ぎ、真因をより正確に特定できます。

4Mとは、工程内不良の原因を次の4つの視点で整理する考え方です。
Man(人):作業不遵守、作業負荷、思い込みなど
Method(方法):標準作業、作業手順、チェック方法、運用ルールなど
Material(モノ):商品特性、類似SKU、ラベル表示、保管方法など
Machine(設備):WMS、ハンディターミナル、棚表示、マテハン設備など

例えば、誤ピッキングが発生した場合を考えてみましょう。

「担当者の確認不足だった」と結論付けてしまえば、改善策は再教育や注意喚起に限られてしまいます。一方で、4Mの視点を意識しながら「なぜ」を繰り返すと、異なる真因が見えてきます。
例えば、Material(モノ)の視点では
「類似SKUが隣接して保管されていた」という要因が見つかるかもしれません。
さらに「なぜ類似SKUが隣接していたのか」と掘り下げるとMethod(方法)の視点から
「SKU追加時の保管ルールが整備されていなかった」という課題が見えてきます。

このように分析を進めることで、真因は「担当者のミス」ではなく
「保管ルールが標準化されていないこと」であると分かります。

改善策も、「教育を実施する」ではなく
「SKU追加時の保管ルールを標準化する」という再発防止につながる内容になります。

4Mの視点で分析を行い、真因を特定することが品質向上と再発防止につながります

工程内不良改善は「人ではなく仕組み」を変える

工程内不良が発生すると、「担当者がミスをした」と考えてしまうことがあります。
しかし、人は誰でもミスをします。
品質改善では人を責めるのではなく、ミスが起こりにくい仕組みを構築することが重要です。

例えば、類似商品を離して保管することで誤ピッキングを防止したり
棚表示を分かりやすくすることで商品の取り違えを減らしたりできます。

また、標準作業を整備したり、バーコード照合を導入したりすることで
人の判断に依存しない運用へ改善することも可能です。

このような改善は、一時的な対策ではなく
誰が作業しても同じ品質を維持できる仕組みづくりにつながります。

工程内不良の改善では「人を変える」のではなく
「仕組みを変える」という視点を持つことが重要です。

物流工程内不良改善の5つのステップ

工程内不良を改善するためには、不良が発生するたびに個別対応するのではなく
一定の手順に沿って改善活動を進めることが重要です。

ここでは、多くの物流現場で実践されている改善活動の進め方を5つのステップで紹介します。

STEP1 工程内不良を事象まで把握する

改善活動は、事象を正しく把握することから始まります。

まずは工程内不良を記録し、「いつ」「どこで」「どのような不良が発生したのか」を整理しましょう

例えば、発生日や発生工程、不良内容、対象商品、発見工程などを記録しておくことで
不良の発生傾向を把握しやすくなります。

また、工程内不良を分類して管理することで
「特定の商品で誤ピッキングが多い」「入荷工程で数量違いが多い」といった傾向も見えてきます。

改善活動では、感覚ではなく事実に基づいて現状を把握することが重要です

STEP2 真因を分析する

工程内不良を事象まで把握できたら、次は原因分析を行います。

その際は、4M「人・方法・モノ・設備(システム)」の視点を意識することが重要です

例えば、誤ピッキングが発生した場合でも、原因は一つとは限りません。
類似SKUの配置方法に問題があるのか、作業手順が曖昧なのか
WMSの設定に課題があるのかなど、さまざまな可能性が考えられます。

4Mの視点で分析することで、思い込みによる分析漏れを防ぎ、真因を特定しやすくなります

なお、原因分析では、パレート図や特性要因図(フィッシュボーン図)など
品質管理七つ道具を活用することも有効です。

STEP3 真因に対する改善策を実施する

真因が明らかになったら、改善策を実施します。

重要なのは、「人が注意する」ことではなく、「人がミスをしにくい仕組み」を構築することです。

例えば、類似SKUの保管場所を変更する、棚表示を見直す、標準作業を改善する
バーコード照合を導入するなど、真因に応じた改善策を実施します。

改善策は、不良が発生した工程だけを見るのではなく、前後工程も含めて検討することが重要です。

物流は一つひとつの工程がつながっているため
工程全体を見渡して改善することで、より高い効果が期待できます。

STEP4 改善内容を標準化する

改善策は、実施するだけでは定着しません。

改善した内容を標準作業へ反映し
誰が作業しても同じ品質を維持できる状態をつくることが重要です

例えば、標準作業書を改訂したり、教育資料へ反映したりすることで
改善内容を現場へ浸透させることができます。

また、改善内容を他工程や他拠点へ横展開することも、継続的な品質向上につながります。

STEP5 PDCAを回し継続的に改善する

工程内不良は、一度改善すれば終わるものではありません。

物流環境や取扱商品、作業方法は日々変化します。
そのため、改善後も工程内不良や品質KPIを継続して確認し
改善効果を検証することが重要です

改善効果が十分でなければ再度原因を分析し、新たな改善策を検討します。

このようにPDCAサイクルを継続して回すことで、品質レベルを維持・向上できます。

▼物流品質改善の詳細については下記資料にて解説しております。
属人的な対応や「改善しているつもり」による課題を整理し品質を安定させ
成果につなげるための実践ガイドです。
現場で使える改善ポイントと品質向上を仕組み化するフレームワーク「QCストーリー」を
わかりやすく解説しています。

物流工程内不良改善で陥りやすい3つの失敗

改善活動を進めているにもかかわらず、十分な成果につながらないケースもあります。
ここでは、多くの物流現場で見られる代表的な失敗例を紹介します。

注意喚起や声掛けだけで終わってしまう

工程内不良が発生すると、「注意して作業しよう」「再発防止を徹底しよう」といった
声掛けや注意喚起で対応するケースがあります。

もちろん、教育や意識付けは重要です。
しかし、それだけでは時間の経過とともに元の状態へ戻り、同じ不良を繰り返す可能性があります。

重要なのは、人の意識を変えることではなく、ミスが起こりにくい仕組みを構築することです

作業手順や保管ルール、表示方法、設備・システムなどを見直し
誰が作業しても同じ品質を維持できる仕組みへ改善することが、再発防止につながります。

やみくもに検査工程を増やす

品質を向上させるために、検査工程やダブルチェックを追加するケースがあります。
もちろん必要な検査もありますが、検査を増やすだけでは根本的な改善とはいえません。

品質管理には、「品質は工程でつくり込むもの」という考え方があります。
重要なのは、不良品を検査で見つけることではなく、不良が発生しにくい工程を構築することです。

工程を改善し品質を安定させることで、不要な検査やダブルチェックを減らし
品質向上と生産性向上の両立につなげられます。

改善内容を標準化できていない

改善策が効果的であっても、標準化されていなければ
時間の経過とともに元の状態へ戻ってしまいます。

改善内容は標準作業や教育資料へ反映し
継続して運用できる仕組みを構築することが重要です

物流工程内不良改善は
品質と生産性の両立につながる

工程内不良を改善する目的は、品質向上だけではありません。

工程内不良が減れば、手戻りや再作業が減少し、作業時間や人件費の削減にもつながります。
また、品質が安定することで、検査工程やダブルチェックの見直しを検討できる場合もあります。

このように、品質改善と生産性向上は必ずしもトレードオフの関係ではありません。
目指すべきは、現場改善によって「品質を向上させながら効率化する」ことです

当社でも、現場改善を通じて品質向上と生産性向上を両立した事例が数多くあります。

▼当社品質改善による生産性向上事例はこちら
ベンダーからセンターへ入荷した際に行う数量検品にて
一列分の欠品(納入不良=数量不足)が定期的に発生していた事例です。
当事例では作業手順の見直しにより欠品の削減と生産性向上を同時に実現しました。

物流倉庫での工程内不良でよくある質問

Q. 工程内不良(ヤードクレーム)と市場流出不良(マーケットクレーム)の違いは何ですか?

工程内不良(ヤードクレーム)は、物流センター内で発見・是正できた品質不良です。
一方、市場流出不良(マーケットクレーム)は、庫内で発見できず
顧客へ出荷された後に発覚した品質不良を指します。

両者の違いは、不良の種類ではなく「どこで発見されたか」です。

工程内不良を分析・改善することで、品質不良流出の未然防止につながります。

Q. 工程内不良を減らすために最初に取り組むべきことは何ですか?

最初に取り組むべきことは、工程内不良の件数だけではなく
「いつ・どこで・どのような不良が発生したのか」を把握することです。

事実を整理せずに改善策を検討すると「教育を強化する」「注意喚起をする」といった
場当たり的な対策になりやすく再発を防げません。

まずは工程内不良を見える化し
その後4M(人・方法・モノ・設備)の視点で原因分析を行うことが重要です。

Q. 4M分析とは何ですか?

4M分析とは、工程内不良の原因を
Man(人)、Method(方法)、Material(モノ)、Machine(設備・システム)
4つの視点で整理する分析手法です。

多角的な視点から原因を分析することで、見落としを防ぎ、真因を特定しやすくなります。

物流現場では、なぜなぜ分析と組み合わせて活用することで
再発防止につながる改善策を立案しやすくなります。

まとめ|物流工程内不良改善で大切なこと

工程内不良は、一度改善すれば終わるものではありません。
物流環境や取扱商品、作業方法は常に変化するため、継続的に改善活動を続ける必要があります。

そのためには、工程内不良を可視化し、4Mの視点で分析を行い
真因に基づく改善策を実施することが重要です。

さらに、改善内容を標準化し、PDCAサイクルを回し続けることで
品質を維持しながら継続的な改善につなげられます。

当社は20年以上に渡る物流倉庫運営の中で培った物流倉庫運営のノウハウを持ち
多種多様な企業様の物流パートナーとして3PL等のサービスをご提供し続けております。

物流品質の管理・維持・向上だけでなく
人件費上昇によるコスト増加や物量波動への対応、将来的な物流拠点構築など
物流に関するお困りごとなどございましたらお気軽にご相談ください。

営業部主任( 監修: 営業部 部長)
営業部主任( 監修: 営業部 部長)
2020年にアドバンスト・ロジスティックス・ソリューションズ株式会社へ入社し 営業部へ配属後、小売・アパレル業界の企業様を中心に 物流最適化や新センター立上を支援。 大手コンビニチェーンにおける物流改善プロジェクトにも複数回携わり、 現場課題の解決と効率化を推進。 【監修者(2006年入社/営業部 部長)】 医薬品を中心に複数拠点のセンター長を歴任し、 現場運営からチームマネジメントまで幅広く担当。 トヨタ式改善を基盤に、安定稼働・原価低減・品質向上を実現。 前職では全国規模の物流再編プロジェクトにおいて新センター立ち上げを推進。 豊富な現場経験を活かし、物流現場の課題解決やネットワーク再構築に向けた 提案を実施している。

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