
共同配送の仕組みとは?メリット・デメリットと3PL事例
「運賃は上がっているが、トラックの積載率が低く配送効率が悪い」
「必要な車両を確保できず、今後の配送に不安がある」
こうした物流課題への対策として、近年あらためて注目されているのが共同配送です。
共同配送の基本的な流れは、
「商品の集約」「納品先別の仕分け」「車両への積み合わせ」「店舗への一括配送」の4段階です。
共同配送を活用すると、車両台数や物流コストを抑えられる可能性があります。
しかし、異なる企業の商品を一緒に運ぶだけでは、安定した運用にはつながりません。
この記事では、共同配送の仕組みやメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
あわせて、3PLによるTCセンターの運営事例も紹介します。
▼共同配送を任せる3PL事業者を、どのように選べばよいか迷っていませんか?
そんな方に向けて、現場運営力や改善力など、3PL選定で確認したい5つの視点を実践ガイドにまとめました。
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共同配送とは?基本的な仕組みを解説
共同配送とは
複数の荷主の商品を集約し、同じ車両で配送する仕組みです。
代表的な共同配送では、物流センターに複数メーカーの商品を集約し、納品先別に仕分けます。
仕分けた商品は、メーカーの違いを問わず同じ車両に積み合わせ、店舗や各配送先へまとめて届けます。
例えば、3社が同じ店舗へ個別に商品を届ける場合、それぞれに車両が必要です。
一方、共同配送で3社の商品を集約できれば、1台の車両でまとめて配送できる場合があります。
このように、共同配送は単なる「トラックの相乗り」ではありません。
商品や車両だけでなく、配送ルートや物流拠点、納品条件まで一体で見直し、物流全体の効率を高める取り組みです。
共同配送によって期待できる効果の一つが、トラックの空きスペースを減らし、積載率を高めることです。
経済産業省の資料によると、貨物自動車の積載率は10年以上にわたり40%を下回る水準にあります。
同省も、限られた車両で輸送量を確保するための手段として、共同輸配送を挙げています。
同じ店舗やエリアへ向かう商品をまとめることで、
1台当たりの輸送量を増やし、限られた車両をより効率よく活用できます。
共同配送の仕組みが注目される理由

共同配送が注目される背景には、トラックドライバー不足や輸送力の低下があります。
国土交通省の検討資料によると、対策を講じなかった場合
2030年度には平均で約7%、最大で約25%の輸送力不足が生じる可能性があります。
そのため、必要なときに車両を追加する従来の対応は、今後さらに難しくなると考えられます。
今後は限られた車両とドライバーで、より多くの商品を運ぶ仕組みが必要です。
共同配送では、同じエリアへ向かう荷物をまとめることで、車両の空きスペースを有効活用できます。
積載率を高めるだけでなく、空車走行を減らし、輸送力を確保する方法としても期待されています。
共同配送のメリット・デメリット
共同配送には、車両台数や物流コストの抑制だけでなく、納品先の負担軽減や環境負荷の低減といったメリットがあります。
しかし、多くのメリットがある中で参加企業ごとの配送条件を調整しなければならない点には注意が必要です。

メリット①車両台数と物流コストを抑えられる
複数企業の商品をまとめて運ぶと、トラックの空きスペースを活用しやすくなります。
特に、同じ店舗や同じエリアへ向かう低積載便を集約できれば、必要な車両台数を減らせます。
その結果、運賃や燃料費、高速道路料金などの抑制も期待できます。
また、曜日や季節による物量の変化を、他社の商品と組み合わせて補える場合があります。
物量の少ない日にも車両を効率よく使えることは、共同配送の大きな利点です。
メリット②店舗の荷受け負担を軽減できる
メーカーが個別に商品を届けると、店舗には時間帯を変えて何台もの車両が到着します。
そのたびに受付や荷受け、検品などの作業が発生します。
共同配送で複数メーカーの商品をまとめれば、店舗への納品回数を集約できます。
車両の入場回数が減るため、店舗側の荷受け負担や構内の混雑を抑える効果も期待できます。
デメリット①納品条件の自由度が下がる
共同配送では、複数企業が同じ車両を利用します。
そのため、1社だけの都合で納品時間や配送ルートを変更することは困難です。
当日注文や緊急配送が多い企業では、すべての商品を共同便へ切り替えるのは現実的ではありません。
定時便と緊急便を分けるなど、あらかじめ例外ルールを決めておく必要があります。
デメリット②荷姿や品質条件を合わせる必要がある
商品ごとに温度帯や荷姿が異なる場合、簡単には混載できません。
常温・冷蔵・冷凍といった温度管理に加え、臭気、液漏れ、粉塵、破損などのリスクも考慮します。
積み重ねができない商品や、取り扱いに注意が必要な商品については
積み付け方法や作業ルールを事前に定めることが重要です。
こうした条件を調整しながら、共同配送を日々安定して動かすには、
物流センターの運営力と継続的な改善が欠かせません。
共同配送を支える3PLの役割|TCセンターの運営事例
共同配送を安定して続けるには、仕組みの構築だけでなく、日々の物量変動に対応する運営力が欠かせません。
ここでは、共同配送に対応するTCセンターを3PLとして受託運営している当社の事例を紹介します。
当社では、共同配送に対応するTCセンターの運営を3PLとして受託しています。
センターには複数メーカーの商品が納入されます。
入荷した商品を店舗別に仕分けた後、メーカーの異なる商品を同じ車両へ積み合わせ、
愛知県・三重県・岐阜県の多数の店舗へ配送しています。
センターは常温・冷蔵・冷凍の3温度帯に対応し、365日24時間稼働しています。
このような共同配送は、仕組みを整えれば完成するものではありません。
曜日や季節によって物量が変わるなかで、物流品質と生産性を維持する運用力が必要です。
当社では、作業動線や人員配置、店舗別仕分けの手順、商品の置き場などを継続的に見直しています。
庫内作業と配送を一つの流れとして捉え、現場で発生するムダや作業の偏りを改善しています。
共同配送を安定して続けるためには、計画だけでなく、日々の運営と改善が欠かせません。
現場を止めずに物流品質と効率を高めることも、3PLの重要な役割です。
▼運営力や改善力まで含めて、3PL事業者を比較できていますか?
RFPの質問例を紹介しています。
共同配送を成功させるポイント
共同配送を検討する際は、まず自社の配送実態を数字で把握することが重要です。
具体的には、次のデータを配送先や曜日ごとに整理します。
- 配送先別の重量・容積
- 車両台数と積載率
- 配送距離と運賃
- 納品時間と荷待ち時間
- 商品の温度帯と荷姿
- 緊急便の件数
データを整理すると、低積載で走っている便や、同じエリアへ重複して配送しているルートが見つかります。
最初からすべての配送網を共同化する必要はありません。
特定のエリアや曜日、納品先に対象を絞り、試験運用から始める方法が現実的です。効果と課題を確認したうえで、
対象範囲を段階的に広げます。
物流コストだけを見るのではなく、積載率、定時納品率、待機時間、誤配送率なども確認しましょう。
効率と品質の両方を測ることで、継続可能な仕組みか判断できます。
共同配送に関するよくある質問
Q.共同配送で物流コストは何%下がりますか?
共同配送によるコスト削減率は一律ではありません。
現在の積載率や配送距離、仕分け費、共同センターの利用料などによって結果が変わります。
配送費だけでなく、入荷から納品までにかかる物流全体のコストで判断しましょう。
Q.共同配送に向いている企業は?
同じ店舗や地域への小口配送が多い企業は、共同配送に向いています。
また、重量があり容積の小さい商品を扱うメーカーと、軽量で容積の大きい商品を扱うメーカーを組み合わせることで
車両の積載効率を高められる場合があります。
低積載の車両が多い場合や、配送後の復路が空車になっている場合も、検討する価値があります。
一方で、特殊車両や緊急配送が多い企業では、商品やエリアを限定して始める方法が適しています。
Q.3PLへ物流業務を委託するメリットは?
3PLは、物流の企画や提案だけでなく、物流センターや配送業務の実際の運営も担います。
物流業務を任せるだけでなく、現場の課題を見つけ、継続的な改善を進められる点が3PLを活用するメリットです。
▼3PLについては以下の記事で詳しく解説しています。
共同配送の仕組み・メリット・デメリットまとめ
共同配送とは、複数の荷主の商品を物流センターなどに集約し、同じ店舗やエリアへまとめて届ける仕組みです。
主なメリットと注意点を整理すると、次のとおりです。
トラックの積載率を高め、車両を効率よく活用できる 車両台数や物流コストの抑制が期待できる 店舗の荷受け回数や構内の混雑を減らせる 走行距離を抑え、CO₂排出量の削減につなげられる 納品時間や配送ルートの自由度が下がる場合がある 荷姿や温度帯、品質条件に応じた運用設計が必要になる
共同配送を成功させるには、商品を同じ車両へ積み合わせるだけでは不十分です。
配送先別の物量や積載率、納品条件、荷待ち時間などを把握し
庫内作業から配送・納品までを一つの流れとして設計する必要があります。
また、物流の現場では、曜日や季節によって物量が変動します。
共同配送の効果を維持するためには、日々の変化に対応しながら、
作業動線や人員配置、仕分け手順などを継続的に改善することが重要です。
当社は3PLとして物流センターの運営を受託し、現地・現物を起点とした改善を重ねています。
共同配送に限らず、物流品質と作業効率の両立にお悩みの方は、
ぜひ一度お気軽にご相談ください。
▼共同配送や物流委託のパートナー選びで、失敗を防ぎたい方へ
契約前に事業者の実力を多面的に確認する必要があります。
「失敗しない3PL選びの事業者選定ガイド」では、5つの評価軸、3PL選定評価シート、
RFPの質問例、最終決定前のチェックリストをまとめています。
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