
物流のCO₂削減方法7選|現場改善で成果を出した3事例
「物流のCO₂を削減したいが、何から始めればよいか分からない」「車両を減らすと、納期や品質に影響が出そう」
このような悩みを抱える物流担当者は少なくありません。
物流のCO₂削減というと、EVや省エネ設備への切り替えを思い浮かべがちです。
しかし、高額な設備投資だけが解決策ではありません。
積載率や配送ルート、庫内照明などを見直すだけでも、CO₂排出量を抑えられます。
本記事では、物流のCO₂を削減する方法と、当社が取り組んだ改善事例を紹介します。
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物流でCO₂削減が求められる理由
物流のCO₂削減は、環境部門だけの課題ではありません。
物流コストや輸送能力にも関係する経営課題です。
2024年度における日本のCO₂排出量のうち、運輸部門は19.3%を占めています。
貨物自動車だけでも、日本全体の7.3%に相当します。
出典:国土交通省「運輸部門における二酸化炭素排出量」
また、2025年4月に施行された改正物流効率化法では、荷主にも積載効率の向上や荷待ち・荷役時間の短縮に
向けた取り組みが求められています。
つまり、車両の効率的な利用や現場作業の改善は、CO₂削減と物流効率化の両方に有効です。
▼法律の対象や具体的な対応については、以下の記事で詳しく紹介しています。
物流のCO₂削減に役立つ代表的な方法7選
物流のCO₂削減には、輸配送の効率化や拠点運営の見直しなど、さまざまな方法があります。
適した方法は、取扱商品や物量、配送エリア、納品条件によって異なります。
ここでは、物流のCO₂削減につながる代表的な方法を7つ紹介します。
①車両台数や走行距離を見直す
車両台数や走行距離、配送頻度を整理し、CO₂排出量やコストが大きい路線・工程を特定します。
その結果をもとに、重複する配送の集約、ルート変更、車格の適正化を進める方法です。
不要な車両運行と走行距離を減らすことで、燃料使用量とCO₂排出量を削減できます。
②積載率を高めて車両台数を抑える
小口の荷物や配送日などをまとめ、1台当たりの積載量を増やす方法です。
物量に合った車格を選ぶことも、低積載の車両や不要な運行を減らすうえで有効です。
③複数企業の商品を共同配送する
複数企業の商品を物流センターへ集約し、同じエリアへまとめて配送する方法です。
個別配送の重複を減らすことで、トラックの台数や走行距離、燃料使用量を抑えられます。
④ミルクランで複数仕入先を巡回する
ミルクラン(巡回集荷)とは、1台のトラックが複数の仕入先を順番に巡回し、商品をまとめて集荷する配送方式です。
仕入先ごとの個別集荷を減らせるため、入荷頻度を確保しながら車両台数の増加を抑えられます。
⑤鉄道や船舶へモーダルシフトする
モーダルシフトとは、トラックで運んでいた貨物を、環境負荷の小さい鉄道や船舶へ切り替える取り組みです。
鉄道や船舶は一度に大量の貨物を運べるため、貨物1トン当たりのCO₂排出量をトラックより抑えられます。
長距離の幹線輸送を中心に、出発地から駅・港まで、および駅・港から納品先までの
集配、納期、輸送量を含めて設計することで輸送品質を保ちながらCO₂削減を目指せます。
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⑥物流拠点と在庫配置を最適化する
生産地、仕入先、納品先との位置関係や物量を分析し、物流拠点と在庫の配置を最適化する方法です。
商品を適切な拠点に配置し、拠点間の転送や長距離配送を減らします。
これにより、トラックの走行距離を短縮し、輸送コストとCO₂排出量を削減できます。
⑦庫内作業とエネルギー使用を改善する
作業動線や保管場所を見直し、荷待ちや再作業などのムダを減らす方法です。
非稼働エリアの消灯や空調運用の改善も、物流センターの電力使用量とCO₂排出量の削減につながります。
これらの方法は、単独で実施するだけでなく、輸配送、梱包、物流拠点の運営などを
一体で見直すことで、より高い効果が期待できます。
ここからは、配送トラックの削減、梱包資材の削減、省エネ活動に取り組んだ当社の改善事例を紹介します。
当社(ALSo)の物流CO₂削減につながる改善事例3選
事例①納品時間(着時間)指定の見直しで、配送トラックを1日11台削減
ある小売企業向けの配送では、店舗ごとに指定された着時間に合わせてトラックを運行していました。
しかし、着時間の制約によって複数店舗への配送をまとめにくく、車両を効率的に活用できていないことが課題でした。
そこで当社は、各店舗の運営状況や納品条件を確認し、荷主企業や店舗と調整しながら、
全店舗の着時間指定を見直しました。
配送時間に柔軟性を持たせることで、複数店舗の商品を同じ車両に混載できる運行へ変更しました。
その結果、配送品質を維持しながら、配送トラックを1日当たり11台削減。
従来と比較して、車両台数を7%削減しました。
さらに、車両台数の削減によって、CO₂排出量を1日当たり0.98t-CO₂削減。
環境負荷の低減だけでなく、配送コストの削減にもつながりました。
事例②梱包方法の見直しで、木箱の使用量と廃棄物を削減
部品を取り扱う物流センターでは、フォークなどの特殊な形状をした製品を木箱で輸送する際に
製品同士を重ねにくく、木箱の内部にデッドスペースが生じやすいという課題がありました。
そこで当社は、実際の製品と梱包状態を確認し、木箱のサイズや製品の組み合わせを見直しました。
従来は個別に梱包していたフォーク2本を1つの木箱にまとめることで、使用する木箱を1箱削減しました。

さらに、製品の形状や破損リスクに配慮しながら、サヤフォークやシリンダー
ガラスなどについても、複数製品を安全にまとめる梱包方法を検討しています。
梱包を集約することで、木箱の製作に使用する木材を抑えられるほか、
納品後に発生する木箱やごみの削減にもつながります。
設備を新たに導入するのではなく、現物を確認しながら木箱のサイズや製品の組み合わせを見直すことで、
梱包資材の使用量と廃棄物を削減した事例です。
事例③「省エネ消灯」で不要な照明を消し、使用電力量を削減
当社では、物流センターや事務所において「省エネ消灯」に取り組んでいます。
省エネ停電とは、施設全体への電力供給を停止するものではありません。
作業していないエリアや時間帯の照明を、計画的に消灯する取り組みです。
消灯を個人の判断だけに任せると、担当者や時間帯によって実施状況に差が生じます。
そこで、稼働エリアと非稼働エリアを区分し、照明を点灯・消灯する基準を明確にしました。
作業や安全に必要な明るさを確保しながら、使われていないエリアの電力消費を抑えています。
高額な設備投資に頼らず、日々の運用を見直すことで、使用電力量と電力由来のCO₂排出量を削減する現場改善です。
物流のCO₂削減とコスト・品質を両立するポイント
CO₂排出量だけを基準に物流の運用を変更すると、別の工程に負担が生じる場合があります。
例えば、車両を減らしすぎると、積み残しや納品遅延、緊急便の発生につながる可能性があります。
また、梱包を集約する場合は、資材使用量だけでなく、製品の破損リスクや荷役時の安全性も確認しなければなりません。
照明を消灯する場合も、作業性や安全性を損なわない範囲で進める必要があります。
そのため、物流のCO₂削減に取り組む際は、次の項目をあわせて確認することが重要です。
- 車両台数と走行距離
- 燃料・電力・梱包資材の使用量
- 物流コスト
- 積載率と納品遵守状況
- 製品の破損や誤出荷の発生状況
- 荷役作業の安全性
- 現場の作業負担
運用を変更する際は、荷主企業、納品先、協力会社、現場担当者など、関係者との調整も欠かせません。
まずは一部の店舗や製品、作業エリアから試行し、コスト・品質・安全への影響を
確認したうえで、対象範囲を広げることが大切です。
物流のCO₂削減方法に関するよくある質問
物流のCO₂削減は何から始めればよいですか?
まずは、車両台数、走行距離、配送頻度、積載率など、現在の輸配送状況を整理しましょう。
物流センターでは、電力使用量や照明の運用、梱包資材の使用量なども確認します。
現状を数値で把握したうえで、車両台数や燃料、電力、資材を多く使用している工程から改善を検討すると、
優先順位を付けやすくなります。
梱包方法の見直しもCO₂削減につながりますか?
梱包方法の見直しは、木材や段ボールなどの資材使用量と、納品後に発生する廃棄物の削減につながります。
梱包容積を小さくできれば、保管スペースや車両の積載効率を改善できる可能性もあります。
ただし、製品の品質や破損リスク、荷役時の安全性を確認したうえで進めることが重要です。
高額な省エネ設備を導入する必要はありますか?
必ずしも必要ではありません。
消灯、配送ルートの見直し、車格の適正化など、現在の設備で始められる改善もあります。
まとめ|物流全体のムダを見直すことがCO₂削減につながる
物流のCO₂削減は、EVや省エネ設備の導入だけで実現するものではありません。
配送条件、車両の使い方、梱包方法、照明の運用など、日々の物流に潜むムダを見直すことも重要です。
本記事で紹介した主なCO₂削減方法は、次のとおりです。
- 車両台数や走行距離、配送頻度を見直す
- 積載率を高め、不要な車両運行を減らす
- 共同配送で重複する配送をまとめる
- ミルクランで複数の仕入先から効率よく集荷する
- 鉄道や船舶へのモーダルシフトを検討する
- 物流拠点と在庫配置を最適化する
- 庫内作業とエネルギー使用を改善する
当社では、店舗の着時間指定を見直すことで、配送トラックを1日11台、7%削減し、
当社算定では、CO₂排出量を1日当たり0.98t-CO₂削減しました。
このほか、特殊形状品を同じ木箱にまとめる梱包改善や、
非稼働エリアの照明を計画的に消灯する省エネ活動にも取り組んでいます。
ただし、CO₂削減だけを優先すると、納期、品質、安全性、現場の作業負担に影響する場合があります。
物流コストや納品条件、製品の品質なども確認し、物流全体を見ながら改善を進めることが重要です。
自社に適した方法は、取扱商品、物量、配送エリア、納品条件によって異なります。
まずは現在の車両台数、走行距離、燃料・電力・梱包資材の使用量を整理し、
取り組みやすい範囲から改善を始めましょう。
当社では、輸配送、在庫、物流拠点、梱包、庫内作業を一体で捉え、
物流コストと品質、安全性に配慮した改善をご提案します。
物流のCO₂削減や現場改善でお困りの方は、ぜひ当社の無料相談をご活用ください。
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