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物流新法(改正物流総合効率化法)とは?制度の背景から対象事業者までわかりやすく解説

「物流新法、結局何が変わるのか分かりづらい…」

そうお感じになられている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

物流新法(改正物流総合効率化法)は、2024年に成立し、
段階的な施行を経て2026年に本格的な運用フェーズに入りました。

この制度のポイントは、単なるルール変更ではなく、
物流全体の効率化と持続可能性の確保に向けて、荷主・物流事業者を含む関係者全体の役割を見直している点にあります。

本記事では、物流新法の背景や目的を整理したうえで、対象となる事業者や制度のポイントを分かりやすく解説します。
まずは「何が変わるのか」を正しく理解し、自社対応のヒントとしてぜひご活用ください。

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目次[非表示]

  1. 1. 物流新法(改正物流総合効率化法)とは?
    1. 1) 制度の背景
    2. 2) 目的
    3. 3) 対象事業者
  2. 2. 物流新法(改正物流総合効率化法)で変わる4つのポイント
    1. 1) 荷主・物流事業者等の責務の明確化
    2. 2) 物流効率化のための取組の推進
    3. 3) 規制的措置の導入
    4. 4) 支援措置の拡充
  3. 3. 【物流新法対応】荷主側で見直すべき実務ポイント
    1. 1) 荷待ち時間の削減
    2. 2) 入出荷の平準化
    3. 3) 物流条件の再設計
  4. 4. 【物流新法対応】物流事業者に求められる役割
    1. 1) 現場の可視化
    2. 2) 改善提案
    3. 3) 荷主との連携
  5. 5. なぜ物流新法(改正物流総合効率化法)対応は進まないのか
    1. Q1. すべての企業が対象になるのでしょうか?
    2. Q2. 何から着手すればよいのでしょうか?
    3. Q3. 対応しない場合はどうなりますか?
  6. 6. 物流新法(改正物流総合効率化法)についてのまとめ

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1. 物流新法(改正物流総合効率化法)とは?

物流新法(改正物流総合効率化法)とは、荷主と物流事業者の双方に対し、
物流のムダを見直し、効率的で持続可能な物流体制への転換を求める制度です。

これまでのように現場の調整や努力によって成立していた物流から、
事前設計によって効率化された物流へと転換することが制度の本質です。

1) 制度の背景

近年の物流業界では、以下のような構造的な課題が長年解消されないまま蓄積してきました。

  • ドライバー不足の深刻化(高齢化・担い手減少)
  • 長時間労働・長時間拘束の常態化
  • 荷待ち時間や空車走行などの非効率の放置
  • 小ロット・多頻度・短納期化による現場負荷の増大

これらの多くは現場起因ではなく、
業界慣習や業務条件(発注・納品条件)に起因する構造問題です。

特に「2024年問題」による時間外労働規制の強化により、
従来のように現場の負担に依存した物流は維持が難しくなりました。

その結果、従来の前提のままでは対応が難しくなり、
物流のあり方そのものを見直す必要性が高まっています。

2) 目的

本制度の目的は大きく3つに整理されます。

1. 物流効率の抜本的な改善

  • 積載率の向上
  • 荷待ち・荷役時間の削減
  • 空車・ムダ運行の低減

2. 労働環境の改善

  • 長時間拘束の是正
  • ドライバー負担の軽減
  • 安全性・継続性の確保

3. 持続可能な物流体制の構築

  • 人手依存からの脱却
  • 波動に強い供給体制の構築
  • 安定した物流インフラの維持

これらの取り組みを行い物流の効率化と労働環境の改善を両立しながら、持続可能な物流体制の実現を目指していきます。

3) 対象事業者

本制度は一部の企業に限られたものではなく、
物流に関わる多くの企業が対象となる点も重要なポイントです。

■ 荷主(メーカー・商社・小売など)

主に以下の領域で物流の効率や現場負荷に影響を与える責任が発生します。

  • 発注頻度・ロット設計
  • 納品リードタイム設定
  • 納品時間帯の指定
  • 出荷波動のコントロール

また、一定規模以上の企業は
「特定荷主」として指定され、以下が求められます

  • 中長期的な効率化計画の策定・提出
  • 実績データの報告
  • 改善が不十分な場合の指導・命令対応

これらの対応が求められることから、荷主には従来以上に物流全体を見据えた主体的な取り組みが必要となります。

■ 物流事業者(運送会社・倉庫会社・3PLなど)

物流を「実行する側」として、
効率化と可視化の担い手となります。

主な役割:

  • 配送・運行の効率化
  • 積載率向上の取り組み
  • 現場データの可視化
  • 荷主への改善提案

単なる受託者ではなく、
改善を主導するパートナーとしての役割が求められます。

2. 物流新法(改正物流総合効率化法)で変わる4つのポイント

物流新法(改正物流総合効率化法)の施行により、物流のあり方は大きく変わろうとしています。
その変化は、主に以下の4つの観点で整理することができます。

1) 荷主・物流事業者等の責務の明確化

今回の改正では、物流効率化に向けて「誰が何を担うのか」が明確に定義されます。

荷主・物流事業者双方に対し、効率的な物流を実現するために取り組むべき事項や配慮事項が示され、
これまでのような個別最適ではなく、関係者全体での連携が前提となります。

特に、荷待ち時間の削減や長時間労働の是正は、現場任せではなく、
出荷側・受入側を含めた共同責任として対応が求められる点が大きな変化です。

2) 物流効率化のための取組の推進

物流効率化の取り組みは、これまで以上に計画的かつ構造的に進めることが求められます。

積載率向上や共同配送といった従来の施策に加え、
出荷タイミングの分散、ロットの適正化、在庫配置の見直しなど、
サプライチェーン全体での最適化が重要となります。

単なる現場改善ではなく、「ムダを生まない仕組みを前提に設計する」ことがポイントになります。

3) 規制的措置の導入

物流効率化に向けた取り組みは、努力義務から一歩進み、実行が前提のものへと変わります。

一定の取り組みが行われない場合には、
勧告・命令・公表といった規制的措置が講じられる可能性があります。

そのため、荷待ち時間や積載率などの指標については、
継続的に把握・管理し、説明できる体制の構築が不可欠となります。

4) 支援措置の拡充

一方で、企業の取り組みを後押しする支援制度も大きく拡充されます。

設備投資、DX導入、モーダルシフトといった施策に対する支援により、
これまでコスト面で実行が難しかった改善も進めやすくなります。

今後は物流改善を単なるコストではなく、
競争力強化のための「戦略投資」として捉える視点が重要になります。

3. 【物流新法対応】荷主側で見直すべき実務ポイント

物流新法の施行により、荷主の役割は大きく変わります。
これまでのように物流業務を委託先に任せるだけではなく、
物流負荷を発生させない設計そのものに責任を持つことが求められます。

重要なのは、現場の改善ではなく、
その前提となる「運用の設計」を見直すことです。

1) 荷待ち時間の削減

多くの現場で共通して見られるのが、トラックの待機時間です。

バースの空き待ちや作業準備の遅れ、特定時間帯への集中などが重なることで、
ドライバーの拘束時間が長期化し、ムダが発生しています。

こうした問題は現場の処理能力ではなく、
入出荷の設計やスケジュール管理によって引き起こされているケースが多くあります。

そのため対策としては、

・入出荷の事前予約による時間管理
・作業の前倒しによる待機回避
・バースの運用ルールの明確化

といった取り組みが有効です。

「来てから対応する」のではなく、
来る前に処理できる状態を作ることが重要になります。

2) 入出荷の平準化

物流の負荷を大きく左右するのが出荷・入荷の波動です。

多くの企業では、月末や特定曜日への集中、当日出荷の増加、さらに仕入・納品のタイミングなどにより、
現場が一時的に高負荷となる構造になっています。

この状態では、人員増強や残業による対応が常態化し、
効率・品質ともに不安定になります。

重要なのは「忙しさを減らすこと」ではなく、
負荷を分散させることです。

具体的には、

<出荷側>

・出荷スケジュールを分散する
・当日出荷条件を見直す
・受注締め時間を調整する

<入荷側>

・仕入・納品スケジュールを分散する
・サプライヤーごとの納品曜日・時間帯を調整する
・一括納品から分納への切り替えを検討する

といった施策により、波動をコントロールします。

出荷の“量”だけでなく、入荷を含めた“ばらつき”を管理することが、物流全体の安定につながります。

▼入荷の平準化については、下記の記事で詳しく解説しています

3) 物流条件の再設計

物流効率化は、現場のオペレーション以上に、
業務条件の積み重ねによって大きく左右されます。

例えば、

・短すぎる納品リードタイム
・細かすぎる出荷ロット
・頻繁すぎる納品要求
・過剰な個別対応

などが重なることで、現場の負荷は増大し、非効率化します。

こうした条件は営業・生産・顧客対応といった各部門の判断で成り立っていますが、
全体を見渡して見直さない限り最適化は実現できません

そのため、

部分最適ではなく、全体最適の視点で物流条件を設計することが重要です。

4. 【物流新法対応】物流事業者に求められる役割

物流会社に求められる役割も変化しています。
従来のような「業務を正確に実行する存在」だけでは不十分であり、
改善をリードするパートナーとしての機能が求められます。

1) 現場の可視化

まず不可欠なのが、現場状況の正確な把握です。

荷待ち時間や作業時間、積載率、車両稼働などを数値で捉えることで、
はじめて課題の所在が明確になります。

データがない状態では、改善は経験則や感覚に頼ることになり、
結果として再現性のある改善につながりません。

そのため、

現場を定量的に把握できる状態をつくることが出発点となります。

2) 改善提案

今後の物流会社には、単なる作業実行にとどまらず、
現場に踏み込んだ改善提案が求められます。

例えば、

・配送ルートの再設計
・出荷時間の分散提案
・作業工程の見直し

といった取り組みです。

指示された業務を遂行するだけではなく、
課題に対して主体的に提案できるかどうかが重要になります。

3) 荷主との連携

物流の効率化は、物流会社単独では成立しません。

条件設定やスケジュール、運用ルールは荷主側の影響が大きく、
双方が連携しなければ改善は進まない領域です。

今後は、

・条件設計を共同で行う
・運用の見直しを協議する
・改善活動を継続的に実施する

といった形で、

「任せる関係」から「協働する関係」への転換が不可欠になります。

▼当社が取り組んだ改善事例については下記の記事をご覧ください

5. なぜ物流新法(改正物流総合効率化法)対応は進まないのか

物流新法への対応が思うように進まない企業には、いくつか共通する課題があります。

主な要因は、
「部門ごとの目的の違い」と「全体最適の欠如」です。

多くの企業では、

・営業部門は売上を優先
・生産部門は効率を優先
・物流部門は現場対応を優先

といったように、それぞれが異なる目標で動いています。

その結果、部分最適の積み重ねとなり、
物流全体としての効率化が進みにくい構造になっているケースも見られます。
さらに、現場データの可視化が十分でないケースも少なくありません。
荷待ち時間や積載率などの実態を把握しきれていない場合、
どこに課題があるのか見えづらく、改善の方向性が定めにくくなる傾向があります。

つまり、物流の課題は現場だけの問題ではなく、
企業全体の業務設計や意思決定のあり方に起因するものです。

物流新法は、このような構造そのものを見直し、
企業全体で物流を最適化することを求めている点に特徴があります。

▼物流を経営課題として捉え、全体最適の視点で改善を推進する役割(CLO)については、下記の記事で詳しく解説しています

6. 物流新法(改正物流総合効率化法)に関するQ&A

ここでは、物流新法(改正物流総合効率化法)に関して現場でよく寄せられる疑問を整理します。

Q1. すべての企業が対象になるのでしょうか?

A. 物流に関わる企業であれば、規模に関わらず何らかの影響を受けます。

特に、大手企業は「特定荷主」として指定され、
計画の策定やデータ報告などが義務として求められます。

一方で、中小規模の企業でも、
発注の仕方や納品条件が物流の負荷に影響する点は同じです。

そのため、「自社は対象外」と考えるのではなく、
どの企業も物流のやり方を見直す必要がある制度といえます。

Q2. 何から着手すればよいのでしょうか?

A. 「現状の見える化」から始めることが重要です。

具体的には、

・荷待ち時間はどれくらい発生しているか
・出荷や入荷がどのタイミングに集中しているか
・積載率やロットサイズは適正か

といった基本データを把握することで、
初めて課題の優先順位が明確になります。

いきなり大きな仕組み変更を行うのではなく、
まずは現状把握から始めることが効果的です。

Q3. 対応しない場合はどうなりますか?

A. 改善が不十分な場合、行政からの措置が取られる可能性があります。

物流新法では、

・勧告
・命令
・企業名の公表

といった規制的な対応が段階的に実施される仕組みになっています。

そのため、単なる努力目標ではなく、
「説明できる状態」を整えることが求められます。

6. 物流新法(改正物流総合効率化法)についてのまとめ

物流新法は、荷主・物流会社の責任明確化、現場依存からの脱却を促す大きな転換点です。

重要なのは、これを単なる制度対応として捉えるのではなく、
物流体制そのものを見直す機会として活用することです。

そのためには、

・現場の実態をデータとして可視化すること
・業務の前提となる条件や設計を見直すこと
・日々の運用を継続的に改善していくこと

を荷主と物流会社が一体となって進める必要があります。

当社では設計段階から運用改善まで、一貫した支援を行っています。

具体的には、現状分析やKPI設計を起点に、出荷・在庫の最適化設計、
荷主と現場間の運用調整、さらには改善活動の定着までを含めた包括的な運営が可能です。

物流体制の見直しをご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。

営業部スタッフ( 監修: 営業部 部長)
営業部スタッフ( 監修: 営業部 部長)
2023年に医薬品物流センターの管理者としてアドバンスト・ロジスティックス・ソリューションズ株式会社へ入社。 現場の運営や品質改善チームのリーダーとして活動し、現場改善活動に従事。 2024年に営業部へ配属後は、現場で得た経験をもとに顧客の課題解決のための提案を行っている。 【監修者(2006年入社/営業部 部長)】 医薬品を中心に複数拠点のセンター長を歴任し、 現場運営からチームマネジメントまで幅広く担当。 トヨタ式改善を基盤に、安定稼働・原価低減・品質向上を実現。 前職では全国規模の物流再編プロジェクトにおいて新センター立ち上げを推進。 豊富な現場経験を活かし、物流現場の課題解決やネットワーク再構築に向けた 提案を実施している。

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