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補給部品物流とは?生産物流との違い・よくある課題・効率化の改善策を解説

「生産物流の情報は多いが、補給部品物流の情報は少ない」
「品質の向上や効率化を図りたいが専門性が高く、どうしたらいいのかわからない」

このようなお悩みを抱えてはいませんか?

本記事では補給部品物流について、生産物流との違いや補給部品物流の課題と改善策を解説します。

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目次[非表示]

  1. 補給部品(アフターパーツ)物流とは?生産物流との違いをわかりやすく解説
    1. 補給部品物流とは?
    2. 生産物流の特徴
    3. 補給部品(アフターパーツ)物流の特徴
  2. 補給部品物流で発生しがちな4つの課題
    1. 1.欠品リスクと過剰在庫リスク抑制が難しい
    2. 2.SKU数が膨大なため、保管コストが多くかかる
    3. 3.保管場所・棚割が複雑化しやすい
    4. 4.短納期での対応が必要
  3. 補給部品物流の効率化に効果的な改善策
    1. 1.入出荷実績に基づく適正在庫分析の定期実施
    2. 2.ラック構成の最適化によるスペース活用と保管効率の向上
    3. 3.入出荷頻度とサイズ特性に基づくロケーション最適化
    4. 4.作業標準化と優先順位付けによる即応体制の構築
  4. 補給部品物流の成功ポイントまとめ

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補給部品(アフターパーツ)物流とは?
生産物流との違いをわかりやすく解説

補給部品物流とは?

補給部品(アフターパーツ)物流は部品物流の一種です。

部品物流とは、製品の「生産」と「アフターサービス」の両方を支える物流で
大きく分けると、生産物流と補給部品物流の2種類に分類できます。

生産物流の特徴

・需要が比較的予測しやすい(事前に生産計画で予測可能)
・供給精度・時間遵守を優先
・多品種だが標準化・規格化しやすい商品を主に取り扱う
・文献や事例が豊富で情報収集しやすい

補給部品(アフターパーツ)物流の特徴

・需要予測が難しい(突発的・季節性・地域差が大きく変動性が高い)
・長期保管・緊急対応力を優先
・超多品種で大きさ・形がさまざまな規格化しにくい商品を主に取り扱う
・情報が少なく、物流品質向上・効率化が難しい

補給部品物流で発生しがちな4つの課題

1.欠品リスクと過剰在庫リスク抑制が難しい

補給部品は突発的な需要変動が起こりやすく動きが読みにくいため
・特定部品の需要が急に高まり欠品してしまった
・不動在庫を過剰に抱えてしまい在庫スペースの圧迫している
といった両極端な在庫問題が発生してしまう場合があります。

2.SKU数が膨大なため、保管コストが多くかかる

補給部品物流では製品保証義務・メーカー責任・補修期限の観点から
旧型モデル・地域仕様・小ロット部品を長期間取り扱うため
数千~数万単位のSKUを在庫として持つことも珍しくありません。

そのため多くの保管スペースが必要となります。
また、SKUごとの棚管理も必要となり、結果として保管コストが多くかかることがあります。

3.保管場所・棚割が複雑化しやすい

サイズ・重量・形状が統一されていないため棚配置を最適化しづらく
WMS上のロケーション管理も複雑になりやすい傾向があります。

複雑化したロケーションは作業者が混乱させ
誤ピックなどの品質レベルの低下や作業効率の低下に繋がります。

4.短納期での対応が必要

補給部品物流で取り扱うのは製品の修理部品など緊急性の高い部品です。
アフターサービスのサービスレベルを高めるために短いリードタイムでの対応が求められます。

短いリードタイム要求に対応するために過剰な人員を構える、長時間残業での対応など
労務費の増加や労務問題リスクが増加してしまうといった課題も起こりやすくなります。

補給部品物流の効率化に効果的な改善策

1.入出荷実績に基づく適正在庫分析の定期実施

補給部品は需要の変動が大きく、欠品と過剰在庫の両方が発生しやすいため
入荷頻度や出荷量に応じた定期的な在庫分析が効果的です。

過剰在庫リスク抑制には
SKUごとに出荷量と在庫量を横並びで整理し比較分析を定期的に行うことが有効です。
出荷量に対して在庫量が明らかに多い/少ないSKUを早期に把握することで
在庫積み増し・在庫圧縮の判断を迅速に行えるようになります。

また、
入荷頻度の多いSKU→在庫日数を低めに設定し需要の増減に合わせた運用
入荷頻度の少ないSKU→在庫日数を高めに設定し突発的な需要増に対応する運用

とするなど入荷頻度に応じ安全在庫基準を変え、欠品リスクに備えることも重要です。

2.ラック構成の最適化によるスペース活用と保管効率の向上

補給部品物流ではSKU数が極めて多いため、単に保管面積を確保するだけではなく
“限られた空間を最大限活用できる保管設計” が保管コスト削減の鍵となります。

そのためには、自動倉庫や移動式ラックを導入して上部空間を有効活用するほか
軽量ラック・中間棚などを組み合わせて 少量SKU専用の保管区画をつくることが効果的です。

こうした保管構造の最適化により、デッドスペースを削減し
SKU数が増加してもスペース不足に陥らない効率的な保管環境を実現できます。

3.入出荷頻度とサイズ特性に基づくロケーション最適化

補給部品はサイズ・形状・重量が多様なうえSKU数も膨大なため
ロケーション設計が場当たり的になると棚割が複雑化し
誤ピック・滞留・歩行増加・生産性悪化の原因となります。

これを防ぐには、「出荷頻度 × サイズ特性」を軸にロケーションを最適化する仕組みが効果的です。

「出荷頻度 × サイズ特性」によるロケーション設計の例
高頻度×小型  →  ピッキング動線上の“最も近いゾーン”へ集約
高頻度×大型  →  出荷場に近い下段・端部へ配置
低頻度×小型  →  上段・コンテナ保管にまとめて圧縮
低頻度×大型  →  外周・奥側・別庫区画へ退避

さらに、配置を固定化しすぎないよう
定期的な頻度分析 → ロケーション更新を行うPDCA運用を組み込むことで
時間の経過とともに非効率になる棚割を防ぎ、常に最適な状態を維持できます。

4.作業標準化と優先順位付けによる即応体制の構築

補給部品の中には緊急性の高く、短納期対応が求められるものもあります。
そのため作業標準化と優先順位管理の仕組みを構築することが大切です。

具体的には、
・工程、商品群別での標準作業の作成
・出荷締め時間の複数設定(AMカット/PMカットなど)
・通常オーダー、緊急オーダー区分による出荷優先順位の設定
などが挙げられます。

また、専用台車やロケーション最適化などで作業効率を上げることも重要です。

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補給部品物流の成功ポイントまとめ

補給部品物流は、生産物流とは“別物の専門領域”です。
補給部品物流特有の課題を理解し、改善策を適切に実施することが
安定したアフターサービスや納期遵守につながります。

自社だけで解決が難しい場合は、外部委託という選択肢も有効です。
自社製品のアフターサービスレベルを向上させたいがノウハウ・リソースがなく難しい、協力会社との連携がうまくいかないなどのお悩みがございましたらお気軽にお問い合わせください。

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営業部主任( 監修: 営業部 部長)
営業部主任( 監修: 営業部 部長)
2020年にアドバンスト・ロジスティックス・ソリューションズ株式会社へ入社し 営業部へ配属後、小売・アパレル業界の企業様を中心に 物流最適化や新センター立上を支援。 大手コンビニチェーンにおける物流改善プロジェクトにも複数回携わり、 現場課題の解決と効率化を推進。 【監修者(2006年入社/営業部 部長)】 医薬品を中心に複数拠点のセンター長を歴任し、 現場運営からチームマネジメントまで幅広く担当。 トヨタ式改善を基盤に、安定稼働・原価低減・品質向上を実現。 前職では全国規模の物流再編プロジェクトにおいて新センター立ち上げを推進。 豊富な現場経験を活かし、物流現場の課題解決やネットワーク再構築に向けた 提案を実施している。

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