
物流パートナー選びで失敗しないためのコンペ実践マニュアル
物流コンペは、単なるコスト競争ではなく、自社の物流体制を強化し、
現場で確実に運用できる物流パートナーを選定するための重要なプロセスです。
本記事では、RFP作成のポイント、現状情報の整理、提案内容の評価方法まで、実務に即した手順と注意点を
整理しました。物流コンペを通じて最適な3PLパートナーを選定し、
安定的で効率的な物流体制を構築するためのガイドラインを示します。
※本手順は、秘密保持契約(NDA)締結後に必要情報を共有することを前提としています。
▼こんな悩みを抱えていませんか?
- 現場で改善が進まない
- どう物流を見直せばよいか分からない
- 今の委託先でコストは抑えているが、品質や安定性に不安がある
こうした課題を抱えているなら、改善力・実行力のある外部パートナーとの適切な
3PL選定は大きな解決策となります。当社(アドバンスト・ロジスティックス・ソリューションズ)は
トヨタ式改善メソッドを用い、物流品質向上・生産性改善・コスト最適化を実現する支援を行っています。
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【関連記事】
>物流アウトソーシング成功のポイント|導入前に押さえるべき基礎知識と準備
>3PL切り替えガイド|業者選定から移行まで5ステップで解説
物流コンペとは?目的の変化とアウトソーシングの基本
物流コンペ(複数の物流事業者から提案を募り、最適な委託先を選定する方式)は、
これまで「コスト削減」が主目的でした。しかし、最近では次のような視点が重要になっています。
- 業務プロセスの可視化と透明化
- 人手不足対応の安定した供給体制の確保
- 継続的な現場改善力のあるパートナー選定
価格だけを重視する選定ではなく、「改善提案力」「実行力」「安定供給力」を兼ね備えたパートナーを選定することが、安定した物流運営の鍵です。
【物流アウトソーシングのメリット・デメリット】
物流コンペを検討する際は、アウトソーシングの利点と注意点を理解しておくことが重要です。
特に委託後の運営を見据えた判断が必要となるため、
以下のメリットとデメリットを事前に整理しておくことで、最適な委託戦略を描きやすくなります。
- コストの変動費化:荷量変動に柔軟に対応可能
- 品質の安定化:専門事業者のノウハウで改善サイクルを促進
- コア業務への集中:物流業務から解放され、自社の主要事業にリソースを集中
■デメリット
- ノウハウ蓄積の困難:改善知見が社内に残りにくい
- 個別対応の難化:連携不足で即時対応が困難
- 情報リスク:在庫や顧客情報の管理体制確認が必須
▼物流アウトソーシングのメリット・デメリットについては下記の記事もご覧ください。
物流コンペ成功のための準備
物流コンペは、自社の中長期的な物流運営体制に大きな影響を与える取り組みです。
コストだけでなく、品質・安定性・改善力を含めた総合的な判断を前提に準備を進める必要があります。
1.RFPの精度が成功の鍵
RFP(Request for Proposal:提案依頼書)は、複数の物流事業者からの提案を比較可能にするための基準書です。曖昧な記述では、提案内容にばらつきが生じ、比較が困難になります。
以下の項目を明確に記載してください。
項目 | 具体例 |
委託範囲 | 入荷・保管・出荷全工程、あるいは一部工程のみ |
求めるサービスレベル(SLA※) | 納期遵守率、在庫精度、ピッキング精度 |
選定基準 | 現場実行力、改善提案力、コスト |
スケジュール | コンペ日程、提案書提出期限、契約開始日 |
現場制約条件 | 作業スペース、設備制限 |
改善テーマ | 作業効率化、在庫回転向上、コスト削減など |
高精度なRFPは、公平・比較可能な提案を集めるための土台となります。
2.RFIによる候補絞り込み
RFP実施前に、RFI(Request for Information:情報提供依頼書)を用いることで、候補企業を効率的に絞り込むことができます。評価すべき主な観点は以下です。
項目 | 具体例 |
現場改善の実績 | 継続的に改善提案ができる能力 |
企業としての信頼性 | 財務状況、契約遵守の実績、納期・品質管理実績 |
類似案件への対応経験 | プロジェクト管理能力、リスクマネジメント能力 |
改善実績と企業信頼性を両方評価することで、高精度で実現可能な提案を受けやすくなります。
物流コンペで提案精度を高める現状情報の整理
精度の高い提案を得るためには、荷主側が自社の現状情報を整理し、可能な限り詳細に提供することが前提です。
不十分な情報は、事業者のリスク見込みコスト上乗せや非現実的な提案を招きやすくなります。
1.実績情報・マスター情報・目標コスト
提案企業が自社の物流規模やコスト構造を正確に把握するために必要です。
これにより、実現可能な提案や適正なコスト比較が可能になります。
実績情報:年間入出荷量、SKU数、在庫回転率
マスター情報:商品サイズ・重量・保管条件
目標コスト:比較基準として提示
不明瞭だと事業者がリスクを上乗せしたコストを提示する可能性があります。
2.業務フロー・要員体制・現場状況
現場の作業手順や稼働状況を理解してもらうことで、現実的で効率的な業務提案を引き出すことができます。
作業フロー:作業手順・工程図
日次タイムスケジュール:稼働時間、ピーク時間
人員体制:各工程の担当者数
レイアウト:倉庫配置や搬送経路
現場視察が難しい場合は、写真や動画での代替も有効です。
事前共有により、実態に即した提案が得られやすくなります。
3.見積条件の明示
見積条件を明確にすることで、提案の比較を容易にし、追加質問や再提出を減らすことができます。
配送条件:配送頻度、納品時間帯、配送先の特性
荷姿・数量条件:梱包形態、単品・セット出荷比率、1回あたり平均出荷量
作業条件:ピッキング・検品・仕分けなどの作業手順・時間
シーズン・繁忙期条件:繁忙期の出荷増減、制約事項
その他制約条件:倉庫の稼働時間、稼働日数、特殊条件(温度管理、精密機器など)
標準化された見積フォーマットを荷主側で用意すると提案の比較が容易になります。
各項目ごとに数量・単価・作業工数・必要設備を記入できる欄を設けることが推奨されます。
4.システム・情報管理状況
使用するシステムや情報管理体制を共有することで、提案企業の運用可否や改善提案の実現性を判断できます。
- 使用WMS/OMSの機能・制約
- データ更新頻度・リアルタイム性
- 情報セキュリティ管理体制
5.契約条件・制約条件
現行契約や制約条件を明示することで、提案が現実的かつ実行可能な範囲に収まるようにします。
- 現行契約の有効期限
- 倉庫・配送に関する特別条件
- 引き継ぎ条件・移行期間の制約
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コンペ実施の留意点と準備期間

物流業界全体が人手不足の影響を受ける中、コンペ準備から委託開始までの期間を十分に確保することが重要です。
委託開始までに必要な期間:8〜12ヶ月
全体の準備期間:1.5〜2年
業務設計、人員採用・教育、システム構築など、各工程に一定の時間が必要になります。
特に3PL側で倉庫の確保、WMSなどのシステム導入・調整、車両手配を伴う場合は、
設備・要員・インフラの調達に時間を要するため、スケジュールに余裕を持った計画が不可欠です。
提案内容の評価基準とパートナー選定
1. コスト評価:中長期パートナーの観点を含む
コスト比較は重要ですが、単純な安さでは判断しません。
以下をクリアした上でコストを比較することが推奨されます。
- 中長期パートナーとして適しているか
- 改善提案や運営効率化の見込みがあるか
- 現場実行力があるか
自社の業界特性や商材特性を理解しているか
この基準を満たす企業の中で、コスト比較を行うことで、価格だけに偏らない選定が可能になります。
2.業務設計・施設・マネジメントの評価
提案書の内容だけでは、実際の運営クオリティは判断できません。現場での運営力・データ分析力・マネジメント品質を多角的に評価することで、委託後の安定稼働や改善の実行力を見極めることができます。
【評価すべきポイント】
- 施設・レイアウト設計思想:動線最適化、非効率を生まない構造か
- BCP対策:災害・事故など緊急時の継続計画を備えているか
- 業務設計力:データ分析に基づく要員計画、業務標準化、改善提案の妥当性
- マネジメント力:標準作業の徹底、教育・採用・定着の仕組み
- 輸配送ネットワークの柔軟性:繁忙・閑散に応じた調整力
最後に、現場視察で提案内容と実際の運営レベルが一致しているかを必ず確認します。
まとめ
物流コンペの成功は、提案書の理想像ではなく、現場で実現し、継続改善できる力にかかっています。
目的の明確化
正確な現状情報の開示
実現性・実行力の評価
長期的なスケジュール管理
パートナーの姿勢・文化の見極め
これらを押さえることで、自社にとって最適な物流パートナーを選定できます。
当社では、物流現状診断から移行サポートまで、3PL切り替えのトータルサポートを提供しています。
また、RFP(提案依頼書)の作成支援や内容精度の向上に向けた助言にも対応しており、コンペ成功に必要な情報整理・要件定義まで包括的にサポートします。
「今の物流体制で本当に大丈夫だろうか」「もっと効率的な方法があるのではないか」といった疑問をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。
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