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倉庫のフォークリフト事故防止|接触・はさまれを減らす7つの対策と現場設計のコツ

フォークリフトは倉庫・物流センターの生産性を支える一方で、重大な労災リスクの一つでもあります。
なかでも「人との接触」「ラックや荷物とのはさまれ・巻き込まれ」は
一度起きると死亡・重篤災害につながりかねません。

統計上の事故件数は横ばいが続いており
多くの現場が対策しているにもかかわらず「なかなか減らない」
そこに倉庫特有の難しさがあります。

本記事では、接触・はさまれ事故を減らすための 7つの対策を優先順位順で整理しました。

「一般的な安全スローガン」ではなく、
現場の運用を変えるために必要な判断材料として参考になれば幸いです。

 

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フォークリフト事故の防止は「接触・はさまれ」対策が中心

まずは、人とフォークリフトの“接点”を減らすことが最優先です。


フォークリフトが関与する事故の型には偏りがあります。
死傷災害では「はさまれ・巻き込まれ」「激突され(接触)」が大きな割合を占める傾向が示されています。
(参考:近年のフォークリフトによる災害発生の特徴と問題点より)

フォークリフトとの接触事故は、教育強化だけでは限界が出やすい部分です。
「交わらない設計」が効果の起点になります。

実務の現場では、「教育をやった直後は良いが、数か月経つと元に戻る」
というご相談が非常に多くあります。

これは、人の注意力や記憶に依存した対策には“持続性の限界”があるためです。

当社では、次のような考え方で「設計」と「運用」のバランスを整理しています。

  • まずは“接点を減らす設計”でリスクそのものを下げる
    例)歩行者がフォークリフト通路に入らなくて済む動線・作業配置にする
  • そのうえで、残った接点に対して教育・ルール・表示でリスクを抑える
    例)どうしても横断が必要な箇所に、一時停止・指差呼称をルール化する

「どこまで設計でリスクを減らせるか」「どこから先は運用でカバーするか」を
明確に線引きしておくと、現場としても納得感を持って安全対策に取り組みやすくなります。
 

 

フォークリフト事故が減らない3つの構造原因

事故は「混在・死角・変動」が重なると増えます。

理由は、現場は毎日同じ条件で動かないためです。
動線、荷姿、要員、ピーク波動が日々変わります。

よくある要因は次の3つです。

混在
歩行者と走行ルートが交差する

死角
交差点、ラック端、バース前で
視認が落ちる

変動
繁忙期の応援、外部ドライバーが
入構する

安全対策は「やること」よりも、「続く形」に落とし込めるかが成果を分けます。
当社はトヨタ式改善の考え方をベースに
設計と運用の両面から“現場に定着する仕組み”づくりを支援しています。
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フォークリフト事故防止の対策7選

対策

01

歩車分離で接点を減らす

歩行者と走行を分けると、物理的に接触リスクを下げることができます

死傷災害では「激突され(接触)」が主要型になりやすいため
人とフォークリフトの接触を減らすことが最優先事項です。

まずは以下を実施しましょう。

歩行者通路をラインや
表示で固定する
横断箇所を集約し
必要最低限にする
立入禁止は「表示+物理」で
注意喚起(柵・ポール)

注意喚起や意識だけに頼らず、作業者が守れる形にすることが重要です。
この設計が、現場負荷を増やさずに効果を出すことができます。

対策

02

一方通行・交差点削減で判断ポイントを減らす

交差点が減るほど、ヒヤリの母数の削減に繋がります

交差点では「停止・確認・譲り合い」が同時に発生します。
そのため、忙しい時間帯ほどミスが出やすい構造です。

実施しやすい例は次の通りです。

通路を一方通行にして
交差を減らす
すれ違いより合流に寄せる
ピーク時だけでも
運用を固定する

対策

03

死角対策(ミラー・停止線・見通し改善)を標準化する

ミラー・停止線・見通し確保で安全確認を仕組み化しましょう

止まる位置が人によってずれると視野もずれ、そのまま事故の発生に繋がります。
更に、死角を減らす設備(ミラー)と、見通しの確保まで対策をすると
現場の安全確認が“仕組み”になります。

小さな改善でも、現場の体感が変わります。
「ここは安心」という場所を増やしていきましょう。

効果が出やすい打ち手はこの3点です。

停止線を引き
停止位置を統一する
ミラーを「見たい方向」に
合わせて設置する
ラック端や角の置場を整理し
見通しを確保する

対策

04

速度ルールは“一律”ではなく、“場所別”にする

危険エリアだけ、ルールを強く設定しメリハリをつけましょう

一律ルールは運用が崩れやすい傾向にあります。
守れないルールは、形骸化を招き、事故につながりやすくなります。

「どこで何を守るか」が明確だと、現場の納得ができ、納得ができるルールは、守られます。

おすすめは、場所ごとでルールを設定することです。

混在エリア:
低速を徹底する
交差点:
一時停止+低速にする
バース前:
誘導とセットで低速にする

対策

05

外部ドライバー・応援者の“入口管理”を仕組みにする

現場のルールを知らない人にもルールの共有をしましょう

せっかく現場でルールを徹底していても、変動要員によりルールが守られず
事故につながるケースがあります。
とくに入構直後が最も危険になりやすいです。

また、毎回口頭案内だと品質がぶれやすく、危険です。
入口で共有するものは、短く・分かりやすいものを用い、標準化しましょう。

また、現場でも見てすぐにわかるルール表示を徹底することも欠かずに行いましょう。

構内ルール1枚
(横断場所・待機場所・禁止事項)
立入禁止の図(構内図で一目)
短い動画(30〜60秒)が
あると統一しやすい

対策

06

手順書を“運用まで”落とし込む

手順書は、「作る」だけでなく「周知して守れる状態」にするところまでをセットで行いましょう

フォークリフト等で作業する場合に限らずですが
作業は手順書を定め、関係者に周知することが必要です。

また、定期的な作業教育やフォローにより、定着を確認する仕組みを作りましょう。

手順書の運用は、次の3点を押さえましょう。

掲示は「動線の入口」に置く
朝礼は「今日の注意点」を
一言に絞る
レイアウトやルール変更時に
即時更新する

対策

07

ヒヤリハットを“改善の材料”として回収する

ヒヤリは、設計の弱点を教えてくれます

ヒヤリは、事故の一歩手前を表します。
ヒヤリ報告が集まるほど、対策の優先順位が明確になります。

当社のフォークリフト事故防止運営事例

事例

01

設計段階での歩車分離・死角対策

当社の受託現場では、設計段階から事故が起きにくい環境づくりを行っています。

フォークリフトと歩行者が交錯しないよう
レイアウト段階で動線を分離し床ラインや通路表示も運用を想定して事前に設計しました。

また、交差点やラック端、バース前など事故リスクが高くなりやすい箇所については
死角ミラーの設置、停止線の明確化、見通しを確保するレイアウト整理など
基本的な死角対策を標準として実施しています。

その結果、人とフォークリフトの交差が少なく
現場で過度な注意喚起に依存しない安全な運用ができています。

また、稼働後は実作業を確認しながら必要に応じて微調整し
安全性を継続して高めています。

事例

02

ヒヤリハットを活用した安全運用体制

当社では、フォークリフトでの事故防止対策に関わらず
安全を特別な活動ではなく日常業務に自然に組み込むことを大切にしています。

現場のヒヤリハット事例を収集し、安全ミーティングで共有・議論することで
現場の声を起点に安全意識を高めています。

また、本社には安全コンプライアンスグループを設置し、組織として継続的に安全を支える体制を整えています。

事例

03

安全運転技能の教育・標準化体制

当社では、フォークリフト作業の労働災害防止を目的に
安全意識と運転技能の向上を図る安全運転技能講習会を定期開催しています。

リフト従事者と安全管理者がセットで参加することで、技能面と管理面を同時に強化しています。

改善点の共有・標準化を重視し、学びを各拠点へ展開する運用としています。

 

 

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フォークリフト事故防止対策に関するよくある質問

Q1:フォークリフト事故防止対策で最初にやるべき対策は何ですか?

最初は歩車分離ができるかどうか検討してみましょう。
フォークリフトの事故は「激突され(接触)」や「はさまれ」が主要型になりやすいからです。
横断箇所の集約から始めると進めやすいです。

加えて、「どこから手を付けるべきか」の判断に迷われる場合は
次のような簡易的な優先順位付けをおすすめしています。

  1. 重大事故につながる可能性×発生頻度で見る
    ・人身事故のリスクが高いエリア(人とフォークリフトが近接する場所)を最優先
    ・ヒヤリハットの件数が多いエリアを上位に置く
  2. 短期間・低コストで対策できるかどうかも加味する
    ・床ライン・表示の変更、ミラー設置、手順書掲示など、数日〜数週間で実施可能な対策から着手
    ・大規模なレイアウト変更や設備投資は、中期計画として位置付ける
当社にご相談いただく際も、まずは「初年度にやるべきこと」と
「中長期で計画的に取り組むこと」を整理するところからご一緒することが多くあります。

Q2:手順書は必ず必要ですか?

フォークリフト等で作業する場合に限らず、安定した現場運営のためには
手順書の策定と周知は必要です。
作って終わりではなく、掲示と教育を徹底することが重要です。

フォークリフト事故防止対策まとめ

フォークリフト事故の多くは「接触・はさまれ」に集中しやすく
教育や注意喚起だけではヒヤリが減りにくいのが実情です。

だからこそ本記事では、事故の発生確率を下げる起点として
「人とフォークリフトの接点を減らす設計」を中心に
事故が減らない構造原因(混在・死角・変動)を押さえたうえで
現場で実装しやすい対策を優先順位つきで整理しました。

  • 事故は「接触」「はさまれ」が中心になりやすい
  • 最優先は歩車分離
  • 交差点削減と死角対策で確認を標準化
  • 入口管理で外部要員のリスクを抑える
  • 作業計画は策定+周知まで回して効果が出る

事故を“注意の徹底”のみで抑え込むのではなく
現場設計と運用ルールで「そもそも起きにくい状態」をつくることが
負荷を増やさず継続的に安全水準を高める近道です。

当社では、「安全を最優先に、事故が起きにくい動線・ルール・運用」
設計段階から組み込むことを大切にしています。

「自社の現場だと歩車分離をどう進めるべきか」
「外部ドライバーの入構ルールを仕組みにしたい」
「ヒヤリが減らない原因を現場から一緒に特定したい」など
お悩みやご相談がございましたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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営業部スタッフ( 監修: 営業部 部長)
営業部スタッフ( 監修: 営業部 部長)
2013年にアドバンスト・ロジスティックス・ソリューションズ株式会社の パートとして入社後、契約社員を経て正社員へ。 前職を含め物流業界歴は約14年。要冷食品物流センターで8年間、 QC活動をはじめとする現場改善に携わる。物流関連をはじめ資格を多数保有。 現場で得た視点をもとに、物流改善や品質向上に役立つ情報を発信している。 【監修者(2006年入社/営業部 部長)】 医薬品を中心に複数拠点のセンター長を歴任し、 現場運営からチームマネジメントまで幅広く担当。 トヨタ式改善を基盤に、安定稼働・原価低減・品質向上を実現。 前職では全国規模の物流再編プロジェクトにおいて新センター立ち上げを推進。 豊富な現場経験を活かし、物流現場の課題解決やネットワーク再構築に向けた 提案を実施している。

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