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ピッキングシステムとは?主な種類・メリット・自社に合った選び方を解説

物流倉庫では、人手不足や出荷量の増加、多品種小ロット化への対応が求められています。
なかでもピッキングは、倉庫内の作業時間や人員を多く必要とする工程の一つです。

紙のリストを見ながら商品を探す方法では、倉庫内の歩行や商品探索に時間がかかります。
また、商品の取り間違いや数量間違いが発生しやすく
作業者の経験によって生産性に差が生じることもあります。

こうした課題を解決する手段の一つが、ピッキングシステムです。
ただし、ピッキングシステムにはさまざまな種類があり
すべての倉庫に同じシステムが適しているわけではありません。

本記事では、ピッキングシステムの主な種類や導入メリット
注意点、導入検討の進め方を解説します。

目次[非表示]

  1. ・ピッキングシステムとは
    1. ・WMSとの違い
  2. ・ピッキングシステムの主な種類
    1. ・ハンディターミナル型
    2. ・デジタルピッキングシステム(DPS)
    3. ・タブレット・スマートフォン型
    4. ・プロジェクションピッキング
    5. ・Goods-to-Person・ロボット型ピッキング
  3. ・ピッキングシステムを導入するメリット
    1. ・作業時間を短縮できる
    2. ・ピッキングミスを削減できる
    3. ・作業品質を標準化できる
    4. ・作業状況を可視化できる
  4. ・ピッキングシステム導入時の注意点
    1. ・導入費用と維持費がかかる
    2. ・物量や商品構成の変化に対応できない場合がある
    3. ・既存システムとの連携が必要になる
    4. ・システムだけでは改善できない問題もある
  5. ・ピッキングシステム導入の進め方
    1. ・現状の作業を調査する
    2. ・改善目標とKPIを設定する
    3. ・作業方式とシステム候補を比較する
    4. ・小規模な検証を行う
    5. ・導入後も継続的に改善する
  6. ・ピッキングシステムの効果を高めるには
  7. ・ピッキングシステムに関するまとめ

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ピッキングシステムとは

ピッキングシステムとは、倉庫内に保管された商品を出荷指示に従って取り出す「ピッキング作業」を
デジタル機器や搬送設備、ロボットなどによって支援・自動化する仕組みです。

ピッキングシステムが担う主な役割には、次のようなものがあります。

  • 商品の保管場所と数量を作業者へ指示する
  • 商品やバーコードを読み取り、出荷指示と照合する
  • 効率的な移動順序や作業ルートを提示する
  • 作業の進捗や実績を記録する
  • 棚や商品を作業者のもとまで搬送する

従来のピッキングでは、作業者が紙のリストを確認しながら
倉庫内を移動し対象商品を探す方法が一般的でした。

ピッキングシステムを利用すると
どこから何個の商品を取り出すのかが分かりやすくなり
歩行や探索、確認にかかる時間を短縮できます。

WMSとの違い

WMSは「Warehouse Management System」の略称で、倉庫管理システムを意味します。
在庫数や商品の保管場所、入荷・出荷、棚卸、作業進捗など、倉庫内の情報を管理するシステムです。

一方、ピッキングシステムは、WMSなどから受け取った出荷データをもとに
現場の作業者へ具体的な作業指示を出す役割を担います。

WMSが倉庫内の情報を管理する仕組みであるのに対し
ピッキングシステムは、その情報を実際の作業につなげる仕組みと考えると分かりやすいでしょう。

ピッキングシステムを単独で使用する場合もありますが
WMSや受注管理システム、基幹システムと連携させることで、より正確で効率的な運用が可能になります。

ピッキングシステムの主な種類

代表的なピッキングシステムと、適している現場の目安は次のとおりです。

種類

主な仕組み

ハンディターミナル型

端末で指示を確認し、バーコードで照合する

DPS

商品棚の表示器を点灯させる

タブレット・スマートフォン型

画面に商品や棚位置を表示する

プロジェクション型

光や画像で対象商品・場所を示す

Goods-to-Person・ロボット型

棚や商品を作業者のもとへ搬送する

ハンディターミナル型

ハンディターミナル型では、端末の画面に表示された商品、保管場所、数量を確認しながら作業します。
商品や棚のバーコードを読み取ることで、出荷指示との照合も可能です。

バーコードを読み取り、出荷指示と照合することで
外観や名称が似ている商品の取り間違いを防ぎやすくなります。

商品の入れ替わりやロケーション変更が多く、棚ごとに表示器を設置しにくい倉庫にも適しています。

デジタルピッキングシステム(DPS)

DPSは「Digital Picking System」の略称です。
商品棚に設置した表示器を点灯させ、取り出す数量を表示します。

作業者は、ランプが点灯した棚から表示された数量の商品を取り出します。
紙のリストから商品を探す必要がないため
商品知識の少ない作業者でも比較的分かりやすく作業できます。

一方で、商品棚ごとに表示器を設置するため
SKU数が非常に多い場合や、商品の保管場所が頻繁に変わる場合には
費用や運用面の確認が必要です。

タブレット・スマートフォン型

タブレットやスマートフォンの画面に、商品名、画像、数量、棚位置などを表示する方法です。
端末のカメラや接続したスキャナーを使って、バーコードを読み取ることもできます。

棚ごとに表示器を設置する必要がないため、比較的小規模に導入しやすく
レイアウト変更にも対応しやすいことが特徴です。

一方で、端末を手に持つ運用では片手がふさがることがあります。
台車への取り付けやウェアラブル端末の利用など、実際の作業方法に合わせた工夫が必要です。

プロジェクションピッキング

プロジェクションピッキングは、プロジェクターなどを使って
商品や棚、作業台に光や画像を投影する方式です。

対象となる場所を視覚的に示せるため、形状や名称が似ている部品の取り間違いを防ぎやすくなります。製造現場の部品供給や、限られた作業スペースで行う定点ピッキングなどに適しています。

Goods-to-Person・ロボット型ピッキング

Goods-to-Personは、作業者が商品を取りに行くのではなく
棚や商品を作業者のいる場所まで搬送する考え方です。

AGVやAMR、自動倉庫などを利用して商品を供給することで
倉庫内を歩く時間を大幅に削減できます。
さらに、ロボットアームを使用して商品の取り出し自体を自動化する方法もあります。

省人化や処理能力の向上が期待できる一方で、一定の導入スペースや投資が必要です。
物量、商品サイズ、荷姿、繁閑差などを踏まえ、十分な効果を得られるか検討しなければなりません。

ピッキングシステムを導入するメリット

作業時間を短縮できる

ピッキング作業では、商品を取り出す時間だけでなく
倉庫内の歩行や商品探索、リストとの照合にも多くの時間がかかります。

ピッキングシステムによって商品位置や作業順序を明確にすると不要な移動や確認を減らせます。
作業ルートを最適化できるシステムであれば、倉庫内の歩行距離削減も期待できます。

ピッキングミスを削減できる

バーコードや表示器などを使って、商品、ロケーション、数量を出荷指示と照合することで
取り間違いや数量間違いを防ぎやすくなります。

作業中に誤りを検知できれば、検品工程や出荷直前にミスが発覚する場合と比べて
商品を戻して取り直す手間も抑えられます。

作業品質を標準化できる

紙のリストや作業者の記憶に依存した運用では
経験者と新人の間に生産性や作業精度の差が生じやすくなります。

システムが商品位置や数量を具体的に指示することで
経験の少ない作業者でも一定の手順で作業できます。
繁忙期の増員や応援者の受け入れにも対応しやすくなり、教育期間の短縮につながります。

作業状況を可視化できる

システムに作業実績を記録することで、現在の進捗や作業件数を確認できます。

作業者別、時間帯別、商品別、エリア別などで実績を分析すれば
作業の遅れや負荷の偏りを把握しやすくなります。

収集したデータは、人員配置や商品配置、作業手順の見直しにも活用できます。

ピッキングシステム導入時の注意点

導入費用と維持費がかかる

ピッキングシステムの導入には、端末や表示器、サーバー、通信設備などの費用がかかります。
既存システムとの連携や個別のカスタマイズが必要な場合は、追加費用も発生します。

初期費用だけでなく、システム利用料、保守費用、端末の交換費用などを含めて
継続的な費用を確認することが重要です。

物量や商品構成の変化に対応できない場合がある

固定式の表示器や大規模な搬送設備は、高い処理能力を確保しやすい一方で
商品の入れ替えやレイアウト変更に制約が生じることがあります。

現在の物量だけでなく、将来的なSKU数や出荷量の増減、取引先の変更なども踏まえて
拡張性と柔軟性を確認する必要があります。

既存システムとの連携が必要になる

WMSや受注管理システムから正確な出荷データを取得できなければ
現場へ正しい作業指示を出せません。

導入前には、連携するデータの内容や更新頻度、商品コード、
ロケーションなどのマスタが整備されているかを確認します。

また、通信障害やシステム停止が発生した場合の代替運用も決めておく必要があります。

システムだけでは改善できない問題もある

ピッキングに時間がかかる原因は、作業指示の方法だけとは限りません。
商品配置が出荷頻度に合っていない、補充が間に合わない、通路が混雑しているなど
レイアウトや運用に原因がある場合もあります。

現状の作業をそのままシステム化すると、非効率な運用まで残ってしまう可能性があります。
導入前に作業工程を分析し、システム化する部分と、運用を見直す部分を切り分けることが重要です。

ピッキングシステム導入の進め方

現状の作業を調査する

ピッキング作業を、歩行、探索、取り出し、照合、搬送などに分解します。
各作業にかかる時間やミスの発生状況を確認し、改善すべき部分を明らかにします。

改善目標とKPIを設定する

1時間当たりのピッキング行数、1件当たりの作業時間、ピッキングミス率、歩行距離、
新人の習熟期間など、導入効果を確認できる指標を設定します。

作業方式とシステム候補を比較する

現状の作業を前提とせず、ピッキング方式、商品配置、補充方法、人員配置などを見直します。
そのうえで、必要な機能や処理能力を満たすシステムを比較します。

小規模な検証を行う

可能であれば、一部の商品やエリアで試験運用を行います。
処理能力だけでなく、作業者が操作しやすいか、通常時と繁忙時の双方で運用できるかを確認します。

導入後も継続的に改善する

ピッキングシステムは、導入して終わりではありません。
導入前後のKPIを比較し、商品配置、作業ルート、人員配置などを継続的に見直します。

ピッキングの処理能力が上がった結果、補充や検品、梱包が新たなボトルネックになることもあります。
特定の工程だけでなく、倉庫全体の流れを確認することが必要です。

ピッキングシステムの効果を高めるには

システムの効果を高めるためには、出荷頻度に応じて商品配置を見直し
よく出荷される商品を取りやすい場所へ配置するなどの改善が必要不可欠です。

また、ピッキングが速くなると、ピッキング棚への補充量も多くなります。
補充が間に合わなければ作業が停止してしまうため
在庫の補充方法やタイミングもあわせて設計しなければなりません。

端末の画面が見やすいか、手袋をした状態で操作できるか、
通信が安定しているかなど、実際の作業環境に合っているかを確認することも大切です。

重要なのは、システムの導入そのものを目的にしないことです。
物量や物流特性によっては、大規模なシステムを導入するよりも
商品配置や作業手順を見直した方が高い効果を得られる場合があります。

ピッキングシステムに関するまとめ

ピッキングシステムは、商品の保管場所や数量の指示、バーコードによる照合、
作業ルートの提示、商品の搬送などによって、ピッキング作業を支援・自動化する仕組みです。

DPS、ハンディターミナル、Goods-to-Personなど複数の種類があり
それぞれ適した商品、物量、作業方式が異なります。

自社に合ったシステムを選ぶためには、まず現在の作業を分析し
解決したい課題と物流特性を整理することが重要です。
そのうえで、作業方式や商品配置、補充方法、既存システムとの連携まで含めて検討します。

ピッキングシステムは、導入するだけで必ず生産性が向上するものではありません。
倉庫全体の作業設計を見直し、現場に合った仕組みを構築することが、導入効果を高めるポイントです。

当社では、本記事でご紹介した、ピッキングシステムに関する情報だけでなく
20年以上にわたる物流運営の様々なノウハウをお役立ち資料として公開しています。
物流に関してお困りごとなどございましたら是非一度ご活用ください。

営業部主任( 監修: 営業部 部長)
営業部主任( 監修: 営業部 部長)
2020年にアドバンスト・ロジスティックス・ソリューションズ株式会社へ入社し 営業部へ配属後、小売・アパレル業界の企業様を中心に 物流最適化や新センター立上を支援。 大手コンビニチェーンにおける物流改善プロジェクトにも複数回携わり、 現場課題の解決と効率化を推進。 【監修者(2006年入社/営業部 部長)】 医薬品を中心に複数拠点の事業所長を歴任し、 現場運営からチームマネジメントまで幅広く担当。 トヨタ式改善を基盤に、安定稼働・原価低減・品質向上を実現。 前職では全国規模の物流再編プロジェクトにおいて新センター立ち上げを推進。 豊富な現場経験を活かし、物流現場の課題解決やネットワーク再構築に向けた 提案を実施している。

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