
マテハンとは?物流設備の種類一覧と導入時のROI試算|導入を成功させるための5つのポイント
- この記事の要点
- マテハン=物流・製造現場でモノの移動/保管/荷役/仕分け/梱包を行う作業および機器の総称
- 導入成功の鍵は5点:①目的と課題の明確化 ②ROI試算 ③拡張性 ④全体最適 ⑤保守体制
- 部分最適NG。入荷→保管→ピッキング→梱包→出荷の全体フローを見てボトルネックを解消する
深刻化する人手不足と多頻度小口化を背景に、マテハン(物流設備・自動化機器)導入を検討する企業が急増しています。
一方で、
「最適な設備を選びたいがどうしたらいいかわからない」
「投資対効果が得られるか不安」
「新しい仕組み導入後のリスクを避けたい」
といった声も多く聞かれます。本記事では、マテハンの基礎知識から、導入で失敗しないためのポイントまでわかりやすく解説します。
適切なマテハン選定は、作業効率向上とコスト削減の両立につながります。
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マテハン(マテリアルハンドリング)の基礎知識

まずは「マテハン」という言葉の意味と、物流現場でどのように使われているのかを整理します。
マテハンの意味と略称について
定義:
マテハン(Material Handling)とは、モノの移動・保管・搬送・仕分け・荷役といった一連の作業全般を指す言葉です。
JIS規格でも「物品の移動・搬送・取付け・取出し・仕分けなどの作業」と定義されており、工場から物流センターまで幅広く使われます。
代表例:
- フォークリフトによるパレット移動
- コンベヤによる自動搬送
- AGV・AMR・自動倉庫などの設備
これらすべてがマテハンに含まれます。
物流現場におけるマテハンの使われ方
本来「マテハン=作業そのもの」を指しますが、実務ではマテハン機器(設備・システム)を指す用語として使われることが一般的です。
そのため「マテハンを導入する」とは、多くの場合以下のような設備投資を意味します。
代表例(機器):
分類 | 代表設備 | 主な目的 |
搬送系 | コンベヤ、AGV、AMR、AGF | 作業移動削減 |
保管系 | 固定ラック、移動ラック、自動倉庫(AS/RS) | 保管効率向上 |
仕分け系 | コンベア式ソーター、ロボット式ソーター、 ハンガー式ソーター | 出荷効率向上 |
▼物流倉庫の自動化については下記の記事をご覧ください。
人手不足で加速するマテハン投資の動き
物流・製造業では「人が集まらない」「ベテランが退職し技術継承が難しい」といった課題が年々深刻化しています。
加えて、
EC拡大による出荷件数増加
多頻度小口化(1件あたりの荷物が細分化)
が現場負担を押し上げ、人力だけでは処理しきれない構造が生まれています。
また、政府の推計によると、2065年の生産年齢人口は約4,500万人まで減少し、2020年と比べておよそ2,900万人も減る見通しです。
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マテハン導入を成功させるための5つのポイント

マテハン導入は大きな効果を期待できる一方、投資額も大きいため、計画段階の準備が成功の決め手となります。
以下の5点を押さえることで、導入後のミスマッチを防げます。
チェックリスト(全体)
|
1.マテハン導入目的と現場課題を明確にする
結論:目的が曖昧だとミスマッチが起きる
「導入したけれど実際の運用と合わず現場で運用されなくなる」という事例も珍しくありません。
まず改善するKPIを定め、そのうえどの作業プロセスを効率化するのかを具体化します。
よくある課題例:
保管スペースが不足している
ピッキングミスが多い
入出荷の処理スピードが遅い
ポイント:
見た目が似た機器でも、オペレーション/施設環境で効果は大きく変わります。
自社要件表(天井高、床強度、動線、防災、IT連携など)を作り、適合性を確認しましょう。
2.費用対効果と投資回収期間を試算する
結論:感覚ではなく“数式”で判断
マテハン機器は高額投資のため、ROI(投資回収期間)試算が必須です。
計算式:
投資回収期間(年)= 初期投資額 ÷(年間削減コスト − 年間保守費)
削減できる人件費
工数削減の効果
品質向上による損失低減
ランニングコスト
これらを数値化し、初期費用と比較して判断します。
感覚ではなくデータで意思決定することが導入成功の前提です。
3.将来的な拡張性・柔軟性を考慮する
結論:導入後に“変わる”のが前提
事業成長やSKU変化により、数年後に処理能力が不足するケースは少なくありません。
確認すべきポイント:
段階的な拡張に対応できるか
レイアウト変更の自由度があるか
取り扱い商品の変更に柔軟に対応できるか
現在の最適解だけでなく、将来の姿を見据えた選定が重要です。
4. 部分最適を避け、全体の物流フローから見直す
結論:一工程だけ速くしても全体は速くならない
特定工程だけを自動化しても、前後工程がボトルネックになれば全体効率は上がりません。
例えば、ピッキングを自動化して速度が2倍になっても、梱包工程が追いつかなければ滞留が発生します。
対策:
入荷→保管→ピッキング→梱包→出荷を全体最適の視点で整理
工程間の処理能力のバランスを確認
マテリアルバランスフロー(マテバラ)の作成で可視化
部分最適の積み重ねではなく、全体最適の視点で設計することが、マテハン導入成功の大前提です。
5. 導入後の保守・サポート体制を事前に確認する
結論:マテハンが止まると現場が止まる
マテハン停止=倉庫全体の停止につながるため、保守体制の確認は必須です。
確認すべき項目:
故障時の対応速度
定期メンテナンスの内容・費用
担当者の拠点距離
部品調達のスピード
長期的に安心して運用できるパートナー選びが重要です。
当社の取り組み事例(マテハン導入支援)
実際に当社(アドバンスト・ロジスティックス・ソリューション:ALSo)の荷主様のマテハン導入を支援した事例をご紹介します。
自社の状況と照らし合わせながら参考にしてください。
医薬品メーカー様におけるバラピッキング工程の課題
新センター立ち上げに伴う省人化が急務
バラピッキング工程が紙リスト運用で、品質維持と工数削減が困難
当社の解決アプローチと導入ステップ
STEP1:全体最適の視点による現状分析
いきなりマテハンを選ぶのではなく、まずはセンター全体の物流フローを可視化し、ボトルネックを特定。
STEP2:中立的な立場でのマテハン比較検討
特定のメーカーに縛られず、現場の特性に合わせて以下の3パターンでの作業を抽出。
・ハンディターミナル
・タブレット装置型台車
・ピッキングカート(計量検品機能付き)
STEP3:定量・定性の両面から最適解を導出
各マテハンを使用した場合の新しい作業フローを作成し、メリット・デメリットを可視化。効果試算(ROI)と機能性の両面から評価し、今回は計量機能付ピッキングカートを採用。

- STEP4:導入後の効果検証
事前の緻密な試算により、投資回収期間5年を見込んだ計画を立案。運営開始後は、現行作業と比較して生産性を16%向上(生産性1.16倍を達成)させることに
成功し、現在も安定稼働を継続。
- 当社の強み:
導入機器の選定に留まらず、設計→効果試算→立上げ→運営まで一気通貫で支援し、
荷主様の“投資対効果の最大化を実現することが可能”です。
マテハン導入におけるよくある質問

Q1.導入までの期間は?
A:規模と連携要件によります。小規模なら数ヶ月、自動倉庫などの大規模は1〜2年が目安です。
Q2.WMSは必須?
A:必須ではありませんが“実質推奨”です。WMSがないと在庫・入出庫指示のリアルタイム連携が難しく、自動化効果が減衰します。既存WMSがある場合は連携可否を、ない場合は同時導入を検討してください。
Q3.従業員の抵抗はどう解消する?
A:導入前に操作体験やメリット説明を行い、不安を減らすことが効果的です。
段階的な移行計画も有効です。
Q4.マテハン導入費用の相場は?
A:導入する設備の種類や規模によって大きく変動します。小規模なピッキング補助機器であれば数十万円〜数百万円程度ですが、自動倉庫やソーターなどの大規模設備では数千万円〜数億円規模になるケースもあります。
Q5.補助金は使える?
A:物流現場の自動化・省人化設備は、国・地方自治体の補助金・助成金制度の対象になることが多いです。
ただし、年度・予算配分・申請条件・事業計画要件が毎年変わるため、事前確認が必須です。
まとめ:マテハン導入成功の鉄則
マテハンとは、物流・製造現場における物の移動・保管・仕分けを担う作業・機器の総称です。
人手不足やEC拡大を背景に、今後マテハン導入はさらに増えていく見込みです。
成功のポイントは以下の5つです。
1.課題の明確化
2.ROI試算
3.拡張性の確認
4.全体フローからの見直し
5.保守体制の確認
当社では、設備選定から効果試算、レイアウト、運営構築まで一気通貫で支援しております。
マテハン導入や物流改善でお困りの方は、お気軽にご相談ください。





